工業セクター 米国株

3M(スリーエム)の決算情報(ポイントを絞って分かりやすく解説)


(出典:SCIENTIFIC AMERICAN)

いきなりテーマを変えますが、今回はコロナで需要が拡大したマスク、防護具関連の銘柄を紹介します。

マスクなんて今後需要落ちるんじゃないの?と思うかもしれませんが、一時的に需要は落ちますが、海外でもマスクはニューノーマルになるという論文もあり(参照:National Center for Biotechnology Information)、コロナ前と比較して今後も継続的に需要が見込まれると言えます。

というわけで、防護具メーカーの第一弾は、皆様ご存知の3M(NYSE: MMM)を紹介します。

 

3Mの事業内容

知らない方がいるかもしれないので一応説明すると、3Mは防護具のメーカーです。厳密には研磨剤やシール、建材、清掃用材料、ラベル、医療部材等、非常に幅広い製品を製造するメーカーですが、3Mの年次報告書によると、売上のメインは防護具です。

実際、日本でも耳栓は3Mが有名ですし(我が家にもあります)、海外で工場見学に行くとイヤーカップやらヘルメットやらマスクやらの防護具は、先ず間違いなく3Mです。


(出典:Amazon.com)

3Mの事業内容は一見バラバラ、全く別々の顧客に提案しているように見えますが、全ての事業には3Mの強みである技術が共通して活かされています。一つ例を挙げると、3Mで有名なスコッチブライトという食器用スポンジは、簡単に汚れが取れることで非常に好評ですが、同じ不織布の技術が流用されて、高い研磨力を誇る研磨材は工場等の幅広い工業分野で使われています。

 

防護具の市場規模


(出典:Fortune Business Insights)

上記はアメリカにおける防護具の市場規模です(将来予想も含みます)。

2020年はコロナの影響で手袋等の防護具の需要が激増しています。

コロナ後、医療機関における防護具の需要は落ち着きますが、感染症対策を止めて良いわけでは無いので、今後も一定の需要が期待できます。

 

3Mの競合

businesswireには、防護具の世界トップメーカーは9社で、3Mの他にはハネウェルやアンセル等のメーカーが挙げられています。

防護具の製造自体は難しくないので、ブランドが如何に信頼されているか、あとは如何に安く作るかが勝ち残る鍵です。その点、3Mは圧倒的なブランドを有しており、世界での市場シェアも(私が見た感覚ですが)高いと見られます。

 

3Mの株価


(出典:YAHOO!ファイナンス)

3Mの株価は、2018年のピークからずっと下り坂でしたが、2020年のコロナ暴落後に回復してきています。ここ5年で言うと、激安とまではいかないですが、お買い得な株価です。

 

3Mの各指標


(出典:YAHOO!ファイナンス)

3Mの各指標ですが、まずPER(株価収益率)を見てみましょう。gurufocusによると、3Mを含むIndustrialsセクターのPERは32.20なので、これと比較すると3MのPERは低いです。

次にPBR(純資産倍率)ですが、IndustrialsセクターのPBRは5.14なので、これと比較すると3MのPBRは高いです。

PERは低めだがPBRは高めのケースで判断が難しいですが、収益が安定しているのであれば、(激安ではないですか)比較的割安と言えます。

 

3Mの配当金


(出典:3Mの年次報告書

3Mは配当を行っており、上記の通りここ3年間では増配傾向です。2021年5月の配当金は1.48ドル(年間5.92ドル)でした。

株主に確り還元しており、増配できるだけお金に余裕があると言えます。

 

3Mの業績(損益計算書)


(出典:3Mの年次報告書

2020年は増収増益となっています。安全防具を中心に、DIY関連等、各分野の製品の売上が伸びました。一方、歯科向け製品、先端材料等の売上は落ちました。

因みに、3Mの利益率は16.7%ですが、CSI Marketによると医療機器・部材メーカーの平均は8~9%なので、これと比較すると3Mの利益率は高いと言えます。

最新の業績について、2021年1Q四半期報告によると、売上は前期比9.6%増の89億ドル、一株当たり利益は27%増の2.77ドルでした。

上記を纏めると、コロナの需要で業績が伸びた上に、コロナ後も成長を続けており、業績は堅調と言えます。

 

3Mの資金繰り(キャッシュフロー計算書)


(出典:3Mの年次報告書

3Mのキャッシュフローは、営業キャッシュフローがプラス、投資キャッシュフローがマイナス、財務キャッシュフローが大きなマイナスです。

営業キャッシュフローは前期比で増えているのは、コロナの影響で各種費用が減った他、訴訟関連の費用が減った為です。

投資キャッシュフローのマイナスは、主に土地や工場、設備への投資です。

財務キャッシュフローのマイナスは、主に借入の返済と配当金です。

上記より、株主へ確り還元した上で、キャッシュが手元に残っている、盤石の資金繰りだと言えます。

 

3Mの財務状況


(出典:3Mの年次報告書

3Mの財務状況は、取引量が増えて資産がやや増加しています。

流動資産÷流動負債=流動比率は188%で、100%を超えており支払い能力は十分です。

自己資本比率は27%と、理想の40~50%よりは低いですが、直ちに倒産という水準ではありません。

上記より、財務状況は平均的で、今すぐ支払いが出来なくなるということはなさそうです。

 

3Mの業績予想

2021年1Q四半期報告によると、1Qの時点で業績予想は据え置きとし、売上は前期比5~8%増加、一株当たり利益は9.2~9.7ドルとなっています。

サプライズはありませんでしたが、1Q時点では堅調と言えます。

 

総評

3Mの個人的な総合評価は82点です。

中国企業等が強そうな、マスクや耳栓等、安くてナンボの分野において圧倒的なブランド力を有してシェアを維持しているのが非常に魅力的です。収益力、連続配当もとても好印象ですね。財務状態は完璧では無いですが心配するほどのものでは無く、何よりそこまで割高では無いのが良いですね。

3Mに投資すべきかどうか、今の株価であれば「絶対に買うべき」というのが私個人の判断です。

以上、3Mの決算情報でした。

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