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アクティビジョン・ブリザードの株価は今後どうなるか?ATVIの銘柄分析


(出典:CRASH BANDICOOT

今回もゲーム関連銘柄を続けます。

今回はアクティビジョン・ブリザード(NASDAQ: ATVI)です。

日本では多分誰も知りませんね、私も知りませんでした。

ただ、米国のゲーム関連銘柄ではちょくちょく名前を聞く企業で、All Top Everythingの記事によるとゲーム売上世界5位と存在感を放っている企業ですので、投資対象として調べてみたいと思います。

では企業情報を見ていきましょう。

 

事業内容と競争

アクティビジョンはゲームソフト開発メーカーです。
代表作は「WORLD WAR CRAFT」や「Candy Crush」です。
Candy Crushは私もCMで見たことがありますが、パズドラみたいなゲームでね。

どうでも情報ですが、「CRASH BANDICOOT」というドンキーコングみたいなゲーム(プレステ)があり、当時はすっごいハマって、めちゃくちゃプレイしていました。
「クラッシュバンディク~♪」とゲームの歌をひたすらアホみたいに歌ってたのを思い出します。

企業の歴史は意外に古く、1979年から始まっており、当初からゲーム機用ソフトを開発していました。
会社名から想像できるように、アクティビジョン社とブリザード社が2008年に合併しています。

 

顧客

アクティビジョンは直接販売と間接販売どちらも行っており、エンドユーザーの他に、ソニー等のゲームプラットフォームを提供している企業も顧客です。
アクティビジョンの決算書を見る限り、特にどのプラットフォームに偏ることも無いので、バランスよく様々なユーザーがゲームを楽しんでいるようですね。

 

競合

アクティビジョンの直接的な競合は、無数あるゲーム会社の他に、ゲームのハード機器を作っているマイクロソフト、ソニー、任天堂です(彼らはソフトも作っている為です)。
エンターテインメントソフトウェア協会のレポートによると、アメリカの開発メーカーだけで1,500社以上あり、熾烈な競争が繰り広げられている業界であることが容易に想像できます。

 

市場規模


(出典:gamesindustry.biz)

上のグラフの通り、ゲーム市場は年々規模が拡大しています。
世界の経済成長に合わせて、余興に対する予算が大きくなっていた結果でしょう。
いずれにしても、社会からのゲームに対するニーズは大きいことが分かります。

 

業績、損益計算書


(出典:ACTIVISION BLIZZARD 2020年決算書)

2020年の業績は、売上が前期比25%増、営業利益が70%増となりました。
売上増加は「Call of Duty」や「World of Warcraft」等のタイトルによるものです。

売上の内訳ですが、ゲームソフト等の商品販売はたったの29%で、大半の71%はゲーム内の収入、サブスク等によります。
つまり、仮にゲームソフトの売上が落ちても、ゲームユーザーがいる限りは安定した収益が期待できるということです。

 

財務状況(賃借対照表、キャッシュフロー計算書)


(出典:ACTIVISION BLIZZARD 2020年決算書)

賃借対照表を見ると、2020年で売買が大きくなっているので、資産や負債も大きくなっていますね。
流動資産÷流動負債=流動比率を見ると340%、100%を軽く上回っているので支払い能力は十分すぎます。
あまりにも現金が多すぎで、もっと有効活用しても良さそうです。
自己資本比率は65%で、50%を超えており、まず倒産の心配はありません。


(出典:ACTIVISION BLIZZARD 2020年決算書)

2020年は営業キャッシュフローがプラス、投資キャッシュフローがマイナス、財務キャッシュフローがプラスという、ちょっと不思議な資金繰りです。
投資キャッシュフローの増加は主に有価証券の購入です。
財務キャッシュフローは純負債による調達です。
上記より、かなり資金が手元に残っており、将来的に多くのキャッシュを使う為にキープしている可能性があります。
もしかしたら将来的に買収を計画しているのかもしれません。

 

アクティビジョンの利幅は大きいか?(収益性)

アクティビジョンの収益性をチェックしていきましょう。


(出典:macrotrends

先ずは資本金に対してどれくらい効率的に収益を上げているかを示す、ROE(自己資本利益率)という指標を見ます。アクティビジョンのROEは年々向上しており、現在は16.62%です。

競合と比較すると、ネットイースが15.04%、エレクトロニック・アーツが10%、テイクトゥー・インタラクティブが16.57%で、アクティビジョンのROEは高い方です。


(出典:macrotrends

次に、ROEと似ていますがより忠実にお金を儲ける力を表す指数、ROA(総資産利益率)を見ると、こちらも年々改善傾向で現在は11.23%です。

競合と比較すると、ネットイースが8.66%、エレクトロニック・アーツが6.10%、テイクトゥー・インタラクティブが9.03%で、アクティビジョンのROAが一番高いです。


(出典:macrotrends

最後に、利益がどれくらい高いのかが分かる指標、売上高営業利益率を見ます。 上記の通り現在は18.45%です。

競合と比較すると、ネットイースが18.05%、エレクトロニック・アーツが17.01%、テイクトゥー・インタラクティブが18.45%で、だいたいどの企業も同じ数値になっています。

因みに、全体平均と収益性を比較してみると、S&P 500の売上高営業利益率は16.24%です(参照:csi market)。仕入れや設備が少なく済む分、やはりゲーム業界の利益率は他の業界より高めです。

上記を纏めると、アクティビジョンの収益性は平均的と言えます。

 

アクティビジョンは今後大きくなるか?(成長性)

ではアクティビジョンの成長性を評価していきましょう。


(出典:macrotrends

先ず今までの成長率を見て見ましょう。

上記の通り(上が売上、下がEPS)、ここ数年はずっと増収増益、成長率はプラスを維持しており良好です。


(出典:Yahoo!fInance

上記はアクティビジョンの売上(上)とEPS(下)予想です。

2021年は売上が3.60%、EPSが34%成長する予想です。上記の予想EPSがかなり高く、これまでの実績を見ると上記には僅かに届かず、EPS=3.48ドル(+23%)の見込みです。

2022年の予想は、売上が3.5%、EPSは昨年と同じ数字の予想です。売上成長率はゲーム業界の成長率より小さく、十分に実現可能な数字だと考えます。一方のEPSの伸び悩みは謎ですが、買収に関わる費用か、2022年に大きな費用が発生してEPSが伸びないのかもしれません。既述の通り、アクティビジョンの営業利益率は年々改善傾向で大きく悪化したことは無いので、2022年は営業外損失が大きい可能性が高く、本質的な収益力が2022年に悪化する可能性は低いと考えます。

競合と比較すると、ネットイースの2022年売上高成長率予想が不明、エレクトロニック・アーツが35.00%、テイクトゥー・インタラクティブが15.50%で(参照:yahoo!finance)、アクティビジョンの成長率は低い方です。

上記を纏めると、アクティビジョンの成長性は平均より少し下のレベルでしょう。

 

配当


(出典:ACTIVISION BLIZZARD 2020年決算書)

上記は配当金ですが、年々増配傾向で素晴らしいですね。
株主に還元するだけ余裕がありそうです。

 

アクティビジョンは割安か?(割安度)

アクティビジョンが割安かどうかを判断する為に、PER(株価収益率)という割安度を示す指標を中心に各種分析をしてみましょう。

 

アクティビジョンの株価(パフォーマンス)

既述の通り、アクティビジョンは収益性良し、成長性普通だったので、株価(パフォーマンス)はちょっと良さそうな気がしますが、実際にはどうでしょうか?


(出典:yahoo!finance

上記は5年間の株価チャートですが、予想に反してアクティビジョン(赤線)は競合やS&P 500よりもリターンが低く、パフォーマンスは冴えませんでした。

 

アクティビジョンの株価(割安度)の推移

株価チャートだけでは割高、割安の判断が出来ないので、PERをチェックしてみましょう。


(出典:macrotrends

上記はアクティビジョンのPER(3つのうち一番下)ですが、直近では少し減少傾向で、2022年1月5日時点でPER=19.67倍でした。

競合と比較すると、ネットイースが34.52、エレクトロニック・アーツが47.77、テイクトゥー・インタラクティブが34.04倍で、アクティビジョンのPERが低く、他と比較すると割安であることが分かります。

 

アクティビジョンの実力評価(PERと収益性、成長性)

アクティビジョンのPERが低いのは分かりましたが、企業の実力が低ければPER(株価)が低いのも当たり前です。PER(株価)と比較して実力をチェックしてみましょう。


(出典:yahoo!finance)(注釈:ネットイースは予想値が無かった為、2021年3Qの最新の数値を使用)

上記はPERと利益率(収益性)、成長率をプロットしたものです。

グラフの右に行くほど実力が高く、上にいくほど株式市場からの評価が高いことを意味します。青線より左上は割高、右下は割安ということです。

利益率と成長性両方を考慮すると、アクティビジョンのPER(株価)は今の水準でちょうど良さそうです。アクティビジョンの実力を考慮すれば、現在の株価では割安でも割高でも無いと分かります。

 

アクティビジョンの理論株価

アクティビジョンの理論株価を超ざっくり計算してみましょう。

先に結論を述べると、理論株価は118.64ドル、2022年1月7日現在の株価は63.82ドルと理論株価の約半分で、アクティビジョンの株は割安だと言えます。

さて、理論株価の計算方法ですがDCF(ディスカウントキャッシュフロー)法を用いて計算しました。

本来は過去の財務諸表から、将来の財務諸表を厳密に計算しますが、ここでは

・今後10年分のフリーキャッシュフローは、過去5年分のデータ(参照:reuters)から予想値をざっくり設定
・リスクフリーレート(リスク0の投資先の利回り)は米国10年国債の利回り(参照:marketwatch
・ベータ(個別の株価変動リスク)はアクティビジョンの過去の株価変動から計算された数値を参照(参照:yahoo!finance
・マーケットリスクプライム(投資家が株式に期待するリターン)はS&P 500(米国大企業500社)の過去10年のリターンの平均値(参照:macrotrends
・有利子負債資本コスト(企業が借りている借金の金利)やD/Eレシオ(負債と資本金の比率)は最新の決算書を参照
・永久成長率は米国の物価上昇率の過去データを参照(参照:trading economics
・必要手許現預金は月商3か月分
・保有しているその他流動資産、その他固定資産等は余剰投資資産と想定

という前提でざっくり計算しました。

計算結果詳細は下記です。

 

結局アクティビジョンは割安か、今後株価は上がるのか?

上記の分析結果を見ると、他社と比較すると妥当な株価、しかし現在の株価は理論株価より低くて割安という内容でした。

先ずはアクティビジョンが割安かそうじゃないかを考えてみましょう。

アクティビジョンの株価に着目すると、2021年2月には100ドル超に上昇していました。2020年4Qがクリスマス需要で好決算だった影響もありますが、株価が100ドル超えに値すると考えても良いでしょう。理論株価が118ドルというのも、あながち夢物語では無さそうです。

では何故現在は株価が低迷しているんでしょうか。

アクティビジョンの株価は2021年7月に入って下落を続けていますが、その原因はなんとコンプライアンスだったのです。

2021年7月20日、カリフォルニア州公正雇用居住庁が女性差別でアクティビジョンを起訴しました(詳しくはニュースサイトをご覧ください)。

この問題は2021年年末になっても尾を引いており、アクティビジョンの株式の売りが続いて現在の株価に至っているということです。

では今後、どういった条件が揃えばアクティビジョンの株価が上がるでしょうか。

単純に考えれば、ハラスメント撲滅の姿勢を徹底して投資家に示せば、株価は適正なレベルに戻る筈です。だたこれがなかなか難題で、いくら改善努力をしてそれを示しても、周りが持つ印象を変えるのはかなり難しいのが現実です。

セクハラを肯定するつもりは全くありませんが、いち個人投資家として今後のアクティビジョンの株価の動きのみを考えれば、時間が解決してくれると思っています。

何時だったでしょうか、マクドナルドでプラスチック片混入問題があって(参照:ねとらぼ)、誰もマクドナルドに行かなくなった時がありましたが、客足はすぐに戻りましたよね?

上記より、少し時間が掛かるものの、1~2年で株価が見直され、100%株価が上昇すると予想します。

 

総評

アクティビジョン・ブリザードの個人的な総合評価は80点とします。

ゲーム業界で注目すべき巨人の1社ですが、セクハラ問題で株価が下落しているので、投資家としてはチャンスだと思います。

上記より、私個人の投資判断は「買い」です。クリスマス需要が期待できるので、買うのであれば4Q決算前をおすすめします。

以上、「アクティビジョン・ブリザードの株価は今後どうなるか?ATVIの銘柄分析」でした。

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