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オンライン決済の革命児!?アファーム・ホールディングス(Affirm)の決算解説


(出典:solar breeze)

フィンテック企業の興隆は激しいですが、その中でもひと際目立つのが、ショッピファイに続きアマゾンも提携を発表した、アファーム・ホールディングス(NASDAQ: AFRM)です。

多分私は投資しないですが、どんな企業なのかとても気になったので、今回はアファーム・ホールディングスについて調べてみました!調査した結果を皆さんに共有したいと思いますので、今からでもアファーム・ホールディングスに投資すべきか考えている方は、下記を参考にして頂ければ幸いです。

 

アファーム・ホールディングスの企業概要、事業内容(単純事業)

アファーム・ホールディングスは2012年に創業した、カリフォルニアに本社を構えるフィンテック(金融技術)企業です。

2021年1月にNasdaqに上場したばかりの新興企業ですが、IPO(新株公開)で調達した金額はなんと13億ドルにも上るので凄まじいです。いわゆるユニコーン企業(創業10年以内で評価額が10億ドル以上の企業)というやつですね。

アファーム・ホールディングスのCEO(経営最高責任者)は、ペイパルを創業したマックス・レヴチン氏です。天才は何をしても成功するようにできているんでしょうか、イーロン・マスク氏と言い、ジャック・ドーシー氏と言い、アメリカの起業家は凄すぎます。

さて、ご存知の方も多いと思いますが、アファーム・ホールディングスがここまで注目された理由は、アファーム・ホールディングスが提供する後払いシステムです。クレジットカードとは全く異なる後払いに、アマゾンを始めとする世界の大企業がこぞってアファームとの提携を求めました。

アファーム・ホールディングスは支払いサービスしか行っておらず、事業内容はシンプルで、投資家にとって事業多角化のリスクが少ない銘柄だと言えます。

 

キャッシュレス支払いの市場規模(社会需要)


(出典:Visual Capitalist)

先ずは社会の需要と市場を見てみましょう。上記は世界のキャッシュレス支払いの金額推移です。2017年から金額がどんどん伸びています。キャッシュレスは送金も簡単ですし、便利、安全ですから、キャッシュレスが飽和するまではこの傾向が続くでしょう。キャッシュレスは今後も成長が期待できそうです。

 

キャッシュレスの業界構造(競争要因、参入障壁)

次は競争要因です。キャッシュレス業界について5フォース分析をしてみましょう。


(出典:MarketsandMarkets

上記はキャッシュレスの各企業です。キャッシュレスと言ってもクレジットカードからオンライン決済迄様々ですが、上記の通りキャッシュレスの企業を挙げると枚挙にいとまがないです。オンライン決済の競合だけでも、Intuit GoPayment、Paydiant、Google Wallet、ペイパル、スクエア、Apple Pay等があります。データが見つかりませんでしたが、世界的にみてシェアを獲得していそうなのはペイパルだと思います。

ペイパル・ホールディングスの株情報

何れにしても競合は無数にあり、競争は熾烈を極めるものです。

次は顧客との力関係です。ご存知とは思いますが、アファーム・ホールディングスの顧客は、オンライン販売している各企業になります。公式HPを見ると、アマゾンやショッピファイ以外にも、皆さんがよくご存じの企業がずらりと並びます。一見すると「アファーム・ホールディングスがどの企業と組むか、パートナーを選びたい放題じゃん」となりますが、既述の通り競合が多数いることを忘れないでください。アファーム・ホールディングスにとって、例えばアマゾンは数多ある顧客の1社ですが、それは顧客にとっても同じなので、顧客との交渉力は普通と言ったところでしょう。

仕入先との力関係はどうでしょうか。情報が見つからなかったですが、恐らくアファーム・ホールディングスは後払いシステムを構築する為に、金融システム等、複数のシステムプロバイダーと契約している筈です。特定の技術に関して仕入先からライセンスを購入しているものがあるかもしれませんが、他の技術に代替することも不可能では無いと思います。従って、仕入先に対する交渉力もそこまで弱くは無い筈です。

代替サービスの脅威について、日本なら電子マネーだったり、昔ながらの口座振り込み、やっぱり現金、王道のクレジットカード払い等、ぱっと思いつく限りでも複数あります。オンライン決済に関しては代替品の脅威は強いです。

新規参入者について、アファーム・ホールディングスもそうですが、キャッシュレスはほぼ毎年新しいプレイヤーが登場してきている分野で、新規参入は多いと言えます。金融システムのセキュリティーさえ作ってしまえば、人も金も設備も要らない、基本的には誰にでも出来るビジネスなので、参入障壁は相対的に低い業界だと言えます。

 

アファーム・ホールディングスの強み(商品力)

アファーム・ホールディングスの強みは明確ですね、ずばり後払いシステムです。

クレジットカードもある意味で後払いですが、公式HPによるとアファームの後払いはコストに差があります。

クレジットカードは年会費が発生しますし、万が一支払いできなかった場合には延滞料が発生します。アファームの場合、そういった費用は一切無しで、アファームの後払いを利用することが出来るのです。

アファームは手数料を提携している企業から徴収しています。支払いを後ろにズラす分、銀行からお金を借りることになるので当然金利が発生しますが、金利は購入者の負担です。

購入者の方々がどう反応しているのか分かりませんが、個人的には非常に便利なサービスだと思っています。クレジットカードの1か月後の引き落としって結構短いですからね、今月の支払いが厳しかったりすると、購入するのを後回しにして、結局買うのを忘れたりするので。販売する側からすれば売上の機会を失っていることになるので、そういった機会損失を防ぐ狙いがあるのかもしれません。

 

アファーム・ホールディングスの株価(割安度)


(出典:Yahoo!Finance)

上記はアファーム・ホールディングスの株価チャート(青線)です。上場してから株価は下がって、2021年8月30日現在は67.90ドルです。トレンドは良くないですが、IPO時よりも株価が下がっていますし、今はチャンスかもしれません。


(出典:YAHOO!ファイナンス)

アファーム・ホールディングスの各株価指標ですが、まずPER(株価収益率)を見てみましょう。アファーム・ホールディングスのPERは「ーーー」となっていますが、これはPERがマイナス、つまり純利益が出ていないことを示します。純利益が出ていないにも関わらず株価がついているので、割高という判断になります。

次にPBR(株価純資産倍率)を見ます。PBRは、株価とその企業が有している純資産を比較する数値なので、赤字でもPBRがマイナスになりません(PBRがマイナスな場合、債務超過という非常にマズい状況なのです)。上記のPBRが高いか低いかを判断する為に、業界平均と比較してみます。アファーム・ホールディングスはS&P 500(S&P社による、選ばれた米国優良企業500社)に入っていませんが、恐らくS&P 500のTechnology(ハイテク)セクターに該当するので、このセクターのPBR=4.91(参照:gurufocus)と比較します。アファーム・ホールディングスのPBRの方が高いので、やはりアファーム・ホールディングスは割高という判断になります。

 

アファーム・ホールディングスの配当金(配当)

アファーム・ホールディングスは無配当で、今後も配当金を出す予定は無いということです。

無配当=お金が無い、という意味では無いので、アファーム・ホールディングスの経営状況は財務諸表から判断しましょう。

 

アファーム・ホールディングスの決算内容

アファーム・ホールディングスの決算内容を一言で表すと、「後払いニーズが増えて運動量(売上)は増加したものの、動きに無駄(営業経費)が多く運動成績(純損失)はボロボロ、本業での出血(営業・投資キャッシュフローのマイナス)が止まらないが、IPOで大量輸血(財務キャッシュフローのプラス)してもらい、今後の厳しい戦いに備える」という感じです。

つまるところ、決算内容はあまり良くありませんが、IPOしたばかりの企業は大体このような決算内容です。

下記(3つのポイントの後)に財務諸表があるので、詳細を確認されたい方はそちらをご覧ください。

 

ポイント1

先ず注目すべきは損益計算書(Consolidated Statements of Operations)の営業損失(Operating Loss)です。伸びている企業は営業利益が年々上がっていますが、アファーム・ホールディングスは前期よりも営業損失が拡大しています。これは営業経費(Operating Expenses)が前期よりも増えたからです。特に一般管理費(General and Administrative)が増えており、管理部門の人員を増加した為ですが、スタートしたばかりの企業で、特にビジネスのスケールが大きくなっているフェーズでは致し方ないのかと思います。

 

ポイント2

次に注目すべきは賃借対照表(Consolidated Balance Sheets)の資本金(Total Shareholders' equity)と負債(Total Liabilities)です。資産額(Total Assets)が前期比で3倍以上に増えていますが、IPOで株式市場から大量に資金を獲得したのみならず、同時に手形(Notes issued by securitization trusts)を大量に発行しています。

通常は確り利益を出して、それが貯蓄されて資本金が増えるのが企業の理想の成長ですが、アファーム・ホールディングスは未だそのステージにありません。上場したばかりの企業は大抵、資産のうち資本金の占める割合が大きいものですが、アファーム・ホールディングスは最初からがっつり借入を行っており、強気で攻めの姿勢が見てとれます。

 

ポイント3

キャッシュフロー計算書(Consolidated Statements of cashflows)では投資キャッシュフロー(Net cash used in Investing Activities)が大きなプラスで目立ちます。特にローン(Purchase of loans held for investment)が大きいですが、四半期報告によると投資用では無く、アファーム・ホールディングスがエンドユーザーに提供している後払いのローンのことで、アファームの利用(=売上)が増えた為にローンの金額も増えたということです。

一般的に、投資キャッシュフローに記載されるのは工場・土地・設備の購入や、他社買収の為の有価証券の購入です。アファーム・ホールディングスのキャッシュフロー計算書は少し特殊で、今回は投資キャッシュフローも営業キャッシュフローも同じ、「本業によるキャッシュの出入り」と考えて問題ないです。

何れにしても、アファーム・ホールディングスは売上が増えて更にキャッシュが出ている状態ですが、大量に出ていったキャッシュを財務キャッシュフローの大きなプラスでカバーしています。

 

財務諸表


(出典:アファーム・ホールディングス2021年2Q報告書

 

アファーム・ホールディングスは今後大きくなるか?(成長性)

アファーム・ホールディングスの成長性を評価していきましょう。

先ず損益計算書より、2021年2Qは増収減益の赤字です。ユーザーが1年間で330万人から540万人に増えており、売上が伸びていますが、純利益は既述の通りマイナスの赤字です。

 


(出典:Reuters

上記は2021年の業績予想ですが、2021年も未だ赤字の予想となっています。黒字化迄は未だ時間が掛かりそうです。

次に賃借対照表から資産総額の増加度合いを見ますが、既述の通り前期比で大幅に金額が上がっています。これは新株発行と借入によるものなので、利益を貯めて着実に成長したという内容ではありません。

上記を纏めると、売上は伸びているものの、アファーム・ホールディングスは未だ収益が伸びていく成長フェーズに入っていないと言えます。

 

アファーム・ホールディングスは儲かっているか?(収益性)

収益性は売上高純利益率、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)といった会計指標を用いて評価しますが、アファーム・ホールディングスは未だ赤字なので、これらが評価出来ません。

上記より、アファーム・ホールディングスは未だ収益が出せていないと言えます。

 

アファーム・ホールディングスは倒産しないか?(安全性)

最後にアファーム・ホールディングスの安全性をチェックしましょう。

賃借対照表より、自己資本比率=純資産÷資産総額=50%と、理想の50%に達しています。

次にキャッシュフロー計算書から見る安全性ですが、2021年2Qは一番大事な営業キャッシュフローがマイナス、つまり本業で現金が出ていっている状況です。加えて投資キャッシュフローもマイナスですが、財務キャッシュフローが大きなプラスとなってカバーしており、現金残高(Cash and Cash equivalents and Restricted Cash, end of period)が増えています。今のところ資金が無くなる心配はありませんが、資金繰りは理想の内容では無いです。

上記を纏めると、アファーム・ホールディングスの安全性は普通と言ったところです。

 

アファーム・ホールディングスの総評

以下は私個人が行った銘柄評価で、特定の企業や従業員、株主を攻撃する目的はありません。又、各銘柄について絶対的に正しい評価を議論するものでも無い為、私個人の銘柄評価に対する非難や誹謗中傷、嫌がらせはお止め下さい。

さて、しーおががの銘柄評価基準に照らし合わせた、アファーム・ホールディングスの総合評価点数は49点です。

ピーター・リンチ氏いわく、これから伸びるであろう企業に投資する際は、せめて黒字化するのを待った方が良いということです。アファーム・ホールディングスの後払いは、簡単そうで意外に誰もやっていなかった革命的なサービスだと思います。今投資すれば、将来大化けした時に大きな利益を得られるかもしれません。でも不発の可能性も十分にあるので、「私は株式投資をやるのであってギャンブルをするわけでは無い」と言うなら、アファーム・ホールディングスに今は「投資しない」という判断になるでしょう。

以上、「オンライン決済の革命児!?アファーム・ホールディングス(Affirm Holdings)の決算解説」でした。

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