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アマゾン(Amazon)の英語決算書が5分で分かる!


(出典:Amazon.com)

今回からeコマース(通販)関連の銘柄を紹介します。巣籠り需要に投資するのは遅すぎと感じるかもしれませんが、これから投資できる銘柄もありそうですし、コロナで通販が日常生活に定着したので、長期的に成長が期待できるテーマです。

第一回はアマゾン(NASDAQ: AMZN)を紹介します。eコマース業界の巨人、お手並み拝見といきましょう!先日は株価が大きく下がったので、意外と投資対象になるかもしれません。

では、決算書の内容についてポイントを絞って分かりやすく解説していきます。しっかり銘柄分析してみましょう!

 

アマゾンの企業概要、事業内容(単純事業)

説明不要だとは思いますが、一応企業紹介します。アマゾンは創業者のジェフ・ベゾス氏が1994年に立ち上げた会社です。ジェフ・ベゾス氏は元々通販を狙って起業しましたが、様々な商品を検討した結果、腐らないし取り扱いが簡単な本に決めたそうです(参照:ジェフ・ベゾス 果てなき野望)。そして僅か3年後の1997年に上場しているから、脅威の成長スピードですね。

事業部は北米、国際、AWS(Amazon Web Services)の3つです。北米はAmazon.com、国際は日本を含む各国のAmazon、AWSはクラウドサービスです。Amazon.comが一番大きな収入なので、やはりアマゾンは通販メインの会社です。

AWSという、通販とはかなり毛色が異なるビジネスを行っているものの、基本的には通販が主であることには変わりなく、超大企業ですが意外と事業内容はシンプルで、投資家にとって事業多角化のリスクは低い銘柄だと言えます。

 

eコマースの市場規模(社会需要)


(出典:statista)

上記は世界のeコマースの市場規模です。2014年から金額がどんどん伸びています。意外なのは、2020年は巣籠りで需要が爆発したかと思いきや、その伸びは例年並みでした。いずれにしても、コロナが終わるとしても今後も強い需要は続きそうです。

 

アマゾンの業界構造(競争要因、参入障壁)

アマゾンについて5フォース分析をしてみましょう。


(出典:MARKINBLOG

先ず直接の競合は、他のeコマースを提供している企業でしょう。上記は世界でeコマースを提供している企業のランキングです。もうぶっちぎりでアマゾンが1位です。注目したいのは2位以降で、JD.com、アリババ、Suning.comと、中国企業がズラリと並びます。まだ中国以外の海外での活躍はイマイチですが、数年前よりは確実に存在感を増してきていますね。何れにしても通販業界は成長している分野なので、やはり参加しているプレイヤーは多く、競争が激しい業界です。

次は顧客との力関係です。アマゾンの顧客は実際に商品を買ってくれるエンドユーザーです。特にアメリカや日本ではアマゾンを選ばざるを得ない状況ではありますが、何も通販業者はアマゾンだけではありません。アマゾンの商品が高かったり、サービスが気に入らなければ、他社を選ぶことが出来ます。GAFAMの一角と言えど、顧客との交渉力はそこまで強くないと言えます。

仕入先との力関係はどうでしょうか。アマゾンの仕入先は販売業者やメーカーになります。何を隠そう、実は私はアマゾンで商品を販売したことがあるので、体験談を話しましょう。恨み節に聞こえるかもしれませんが、販売業者に対する仕打ちは、まー酷いものです。出品手数料や販売手数料、発送手数料は全てアマゾンの思うがまま、日本はインフレじゃないのに、毎年(四半期毎くらいの高頻度で)手数料が上がっています。アマゾンジャパンが納品業者に割引の一部を求めて、公取からの立ち入り検査があったことは記憶に新しいですが、アマゾンの業者に対する強気姿勢は事件後も全く変わっていません。兎に角、仕入先に対するアマゾンの交渉力は絶大です。

代替サービスの脅威について、先ずオフラインの店舗があります。最近流行りのDtoC、メーカーやブランドが自社のHPで販売を行うのも代替案です。影響力や集客力が凄い個人、非常に魅力的な商品を取り扱っている人は、個人でネットショップをやる方法もあります。通販だけがモノを買う方法では無いので、代替サービスの脅威は強そうですね。

新規参入者について、eコマースで有名どころの企業は何れも創業が1990~2015年です(参照:MARKINBLOG)。ここ数年ではニューカマーの数はそこまで増えてない、新規参入の度合いは普通と言って良いでしょう。アマゾンのように、販売等の各システムやカスタマーサポート、販売業者のサポート、ロジスティック拠点、配達網を築くのは楽では無いので、気楽にチャレンジできる業界ではありません。参入障壁は中と言ったところでしょうか。

 

アマゾンのサービスの強み(商品力)

アマゾンの強みを語っている記事はネットにたくさんあると思うので、ここはさらりといきます。

アマゾン最大の強みは利便性、主に発送の速さだと思っています。流通網が確り整備されているので、アマゾンプライムなら注文して翌日に届きますね。実際、私も本当は楽天を使いたいのですが、あんまりにも発送が遅いので、泣く泣くアマゾンを使っています。

顧客の利便性を最重視して徹底してサービスを提供すること、これこそアマゾンが競合を圧倒する強みです。

 

アマゾンの株価


(出典:yahoo!finance)

上記はアマゾンの株価チャート(青線)です。あのアマゾンでも2018~2020年は株価が低迷していたんですね。コロナショックで株価がぎゅんと上がって今は最高値です。チャートだけ見ると割高ですね。

赤線がS&P 500ですが、アマゾンのパフォーマンスは280%も上です。ただただ凄いですね、株価も間違いなく全米トップクラスです。

 

アマゾンの株価指標(割安度)


(出典:YAHOO!ファイナンス)

アマゾンの各株価指標ですが、まずPER(株価収益率)を見てみましょう。アマゾンはS&P 500、Consumer Discretionary(一般消費財)に属するので、こちらのセクターのPERと比較します。Consumer DiscretionaryセクターのPER=22.97(参照:gurufocus)なので、アマゾンのPERが高く、非常に割高だと言えます。

次にPBR(株価純資産倍率)を見ます。Consumer DiscretionaryセクターのPBR=3.54なので、これもアマゾンのPBRの方がずっと高く、割高だと言えます。

 

アマゾンの配当金(配当)

アマゾンは無配当の株です。少し意外ですが、ジェフ・ベゾス氏の哲学でしょうか、年次報告書には何の説明も無かったので、理由は不明です。

ただ、株価が上がって株主に多大な還元を行っているので、配当が出なくても株主から文句は出ないでしょう。

 

アマゾンの業績(成長性、収益性)


(出典:アマゾン年次報告書

上記より、アマゾンの2020年決算は増収増益でした。

売上は前期比で38%の増加です。通販において、販売価格低下を継続的に努力した(販売業者同士で激しく競争するよう煽った??)結果、価格競争力が上がり最終的には販売総売上が大きく伸びた他、日用品等の需要が増加したということです。

営業利益も大きく伸びています。売上が伸びた割に、営業経費がさほど上がらなかった為、利益率が上がっています。

純利益も大幅に伸びています。これは、営業利益が大きいにも関わらず、法人税があまり増加していないからです。株式報酬の控除等に関する税制優遇により、法人税が幾らか減少しています。

さて、アマゾンの収益性を確認する為に、売上高純利益率を計算してみましょう。今期の売上高純利益率=5.5%です。アマゾンが含まれる「オンラインショップ業界」において、利益率平均は3~6%(参照:csi market)なので、アマゾンの収益性は平均と言えます。

次にアマゾンの最新業績です。2021年2Qは売上が前期比27%増の1,131億ドル、営業利益は77億ドルでした(参照:アマゾン第2四半期報告)。

 


(出典:Reuters

上記の2021年業績予想について、売上は前期比26%増の4905億ドル、EPS(一株当たり利益)が55.724ドルの予想です。2021年1Qの結果を見れば、業績は堅調なので、業績予想も達成できそうですね。

 

アマゾンの賃借対照表(成長性、収益性、安全性)


(出典:アマゾン年次報告書

上記より、先ず借方で大きいのは土地及び設備(固定資産)、貸方で大きいのは買掛金(流動負債)、リース負債(固定負債)、利益余剰金(純資産)です。アマゾンは倉庫やサーバーを保有しているので、それらの金額が大きくなっていますね。その設備を購入する資金をどうしているかというと、一部はリース契約で調達しているということです。買掛金が大きいのは、エンドユーザーと仕入先の間に入る小売業者の宿命で、売買が多くなるからです。ただ、現金等の流動資産が大きいので、支払いは問題ありません。

では前期比での資産増減を見ましょう。借方では土地や設備、貸方では買掛金と利益余剰金が増えてます。イメージとしては利益余剰金を土地や設備投資に使った感じです。利益が蓄えられて企業スケールが大きくなり、その利益は設備投資に使っている、理想的な企業の成長の形です。

次にROA(総資産利益率)をチェックすると、純利益÷総資産=6.6%でした。業界平均は5~8%(参照:CSI Market)なので、アマゾンは平均だと言えます。ROE(自己資本利益率)=純利益÷純資産=22%で、業界平均は19~30%なので、こちらからも収益性は平均的だと言えます。

短期的な資金繰りの安全性を示す流動比率=流動資産÷流動負債=105%で、100%を上回っているので問題無いです。

自己資本比率は29%と、下限の30%を下回っており、少し危険ゾーンで安全性が低いです。売買が多いeコマースは買掛金が多くなる傾向なので、負債が大きくなって自己資本比率も低くなりがちで、この水準は致し方ないのかもしれません。

 

アマゾンのキャッシュフロー計算書(安全性)


(出典:アマゾン年次報告書

アマゾンのキャッシュフローを一つずつ見ていきましょう。

先ず営業キャッシュフローはプラスで前期より大幅に増加しています。営業キャッシュフローが純利益より3倍以上も大きいですが、主に減価償却等と株式報酬、売掛金の増加分が非常に大きい為です。減価償却費が大きいのは、既述の通り倉庫や倉庫内の設備等の資産額が大きいからです。従って、アマゾンの場合は損益計算書に記載されているより、実際はキャッシュが多く入ってくる会社だということが分かります。

投資キャッシュフローは大きなマイナスで、大きなものは有価証券の購入です。アマゾンは頻繁に買収を行っており、これも恐らく買収のことでしょう。

財務キャッシュフローは小さなマイナスで、主にファイナンスリース(ユーザー(借手)が選んだものをリース会社(貸手)が購入し、賃貸する取引(参照:iFinance))の返済です。

キャッシュフローを総合すると、本業でがっつりキャッシュが入り、投資でがっつり使って、借金返済にも少し使い、現金も少し取っておくという完璧な資金繰りで、この先現金不足になることも無く、企業の安全性は高いと評価できます。

 

アマゾンの総評

しーおががの銘柄評価基準に照らし合わせた、アマゾンの総合評価は64点です。

eコマースで圧倒的な力を見せつけるアマゾンですが、DtoCを始めとした脅威に曝されている通販業界はこれから厳しくなりそうな予感がします。これだけ企業規模が大きくなっているにも関わらず未だ成長を続けるのは凄いの一言ですが、単純に株価が割高過ぎるので、今からは買えそうにないです。

アマゾンに投資すべきかどうか、株価が今の1/10に安くならなければ「買わない」というのがしーおがが個人の判断です。

アマゾンの株が買いたい方は下記参照下さい。

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以上、アマゾンの決算書解説でした。

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