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停電時に大活躍!燃料電池関連ならブルームエナジーに投資すべき!?BEの銘柄分析


(出典:NGT News

ここ最近、私は工業セクターの株を調べていて、前回に引き続き燃料電池関連の株を紹介したいと思います。

脱炭素でどうなるのか分かりませんが、次世代の車としてEVと主導権を争っているので燃料電池ですね。現在はEVが先行している印象ですが、燃料電池は長距離を走行できますし、大きなバッテリーが必要無いので、今後巻き返す可能性も十分にあると思います。

そこで、燃料電池関連の銘柄で、今回はブルームエナジー(NYSE: BE)を分析をしたいと思います。燃料電池では業界トップクラスの企業らしく、おすすめ銘柄として推奨されているらしいです。実際に魅力があるんでしょうか?

ではさっそくいってみましょう!

 

ブルームエナジーの企業概要、事業内容(単純事業)


(出典:Los Angeles Times

ブルームエナジーは2001年創業の比較的新しい企業で、現CEOのKR Sridhar博士によって創設された会社です。

ブルームエナジーのメイン製品であるエネルギーサーバーは、上記の通りどでかい据え置きタイプのもので、バッテリーのように数時間しか持たないのではなく、現地で数日間電力を供給できるタイプのものです。固形酸化物セルを使用しており、発電効率が高いとか。見た感じは頑丈そうで、信頼性、耐久性も高いそうです。

ブルームエナジーの納入実績は地方自治体や企業です。停電が起きた場合の非常用電源として使って貰っているようですね。

ブルームエナジーが作っているのは燃料電池の電力サーバーだけで、非常にシンプルです。投資家にとって隠れた事業リスクが少なく、事業が多角化してリスクが把握できないということも無いでしょう。  

 

非常用電源の需要(社会需要)


(出典:GRAND VIEW RESEARCH

ブルームエナジーが狙っている非常用電源の市場規模は分からなかったので、ディーセル発電機の市場規模を上記の通り参考にしてください。

少し古いデータですが、2016~2017年では市場規模が拡大しており、今後もニーズが増える予想になっています。が、非常用電源は普段使わないので、一度設置してしまえばおしまいです。電力網がドンドン広がる新興国で無い限り、非常用電源の需要が増えることは無いでしょう。

 

燃料電池の業界構造(競争要因)

燃料電池業界について5フォース分析をしてみましょう。

MZWMOTORによると、燃料電池メーカーは少なくとも13社はあるそうです。世界で13社であればそこまで多くは無いですが、独占という訳にもいかないでしょう。

顧客との力関係ですが、ブルームエナジーの顧客は電力会社や地方自治体、法人(スーパーやショッピングセンター、工場)になります。ブルームエナジーにとってみれば、非常用電源を顧客に売り込む立場で、もの好きな顧客だったらブルームエナジーの電力サーバーを買うわけです。ブルームエナジーの交渉力は弱いでしょう。

仕入先との力関係ですが、ブルームエナジーは燃料電池の材料等について、1つの仕入先には依存せず、様々な国から仕入れているようです。仕入先を切り替えるのも簡単そうなので、仕入先に対する交渉力は強そうです。

代替品の脅威ですが、最大の脅威は旧来の発電機、将来的には高密度の蓄電池(バッテリー)ですね。テスラ等が頑張っていますが、バッテリーのエネルギー密度は年々向上しています。

新規参入者について、ヒュンダイやトヨタ等、元々燃料電池メーカーでは無かった企業も、脱炭素でこの業界に参入してきています。今は落ち着いているかもしれませんが、ホットな話題なので新規参入は多そうですね。

上記を纏めると、燃料電池メーカーは他の業界と比べて競争が激しそうです。ブルームエナジーの電力サーバーはチャレンジャーの立場です。現時点でマーケットは殆ど無い筈なので、今後非常用電源にとって替わり、「電力サーバー」業界が生まれるかどうかが注目するポイントだと思います。

 

ブルームエナジーは顧客を独占しているか(独占力)

マーケットシェアに関するデータが見つかりませんでしたが、恐らくブルームエナジーが市場を独占していることは無いでしょう

既述の通り、そもそも市場が無かった分野です。ブルームエナジーの仕事は、先ずはマーケットを作る、「非常用電源は燃料電池」という状況を作ることです。

仮に非常用電源は燃料電池という状況を作れても、今度は燃料電池メーカーとの戦いが待っています。先日当ブログで紹介したプラグパワーも据え置き型を作っていますし、ブルームエナジーが今後進むのは茨の道かもしれません。

 

ブルームエナジーに似た事業を他社が始めるか(参入障壁)


(出典:DELAWARE BUSINESS TIMES

一般論として装置製造には工場や専用の設備、材料等の仕入れ資金、技術士や開発の技術者等の人員が必要なので、ITや通信サービス、コンサルや小売といった事業よりは参入障壁が高いです。

ブルームエナジーは燃料電池のなかでも、特に据え置きタイプに注力している分、他のメーカーに差をつけて市場(法人顧客)に刺さりこんでいる可能性はあります。長年の製造実績により、製造コストを抑えて価格競争力が高くなったかもしれません。

他方、プラグパワーや他のメーカーも据え置きタイプは作っていますし、燃料電池に使われている材料が違うというのはありますが、明確な差別化戦略はよく分かりません。ブルームエナジー独自の参入障壁は無さそうです。 

 

ブルームエナジーの決算内容

ブルームエナジーの決算内容(2020年年次報告書)を一言で表すと、「電力サーバーの納入実績を伸ばして運動量(売上)が大きくなり、タイムが良くなってきているものの、今年も運動成績(純損失)は赤点の落第点。自分で血液を生成できずに出血(営業キャッシュフローのマイナス)が止まらないので、銀行からの借入で輸血(財務キャッシュフローのプラス)して貰って命を繋ぎ止める」という感じです。

ブルームエナジーの2020年決算は、成長企業に良く見られる内容でした。コロナ禍にも関わらず赤字が小さくなって良い傾向ですし、財務体質が改善している他、銀行が多額の融資をするくらい、経営に安定性がある筈です。

 

ブルームエナジーの利幅は大きいか?(収益性)

ブルームエナジーの収益性をチェックしますが、ブルームエナジーは残念ながら赤字で利益が出ておらず、収益が出ていない(収益性が悪い)状態です。

 

ブルームエナジーは効率良くお金を回しているか?(効率性)

ブルームエナジーがお金を効率良く回して儲かっているかを調べてみましょう。

効率性は総資産回転率という指標で見ます。財務諸表より、2020年の総資産回転率は0.54、2019年は0.59でした。

上記より、効率性が悪化していると分かります。売上を上げるのに、より多くの資産が必要になったということです。企業が成長フェーズにある時には、効率性をあまり重視出来ないことがあるので、資金繰りに困らない限りは、効率性が悪化するのは仕方無いかなと思います。

業界平均と比較すると、「その他製造業」の総資産回転率は0.64でした(参照:csi market)。一概には言えませんが、業界平均よりはブルームエナジーの効率性の方が低いです。

上記を纏めると、ブルームエナジーの効率性はやや低いと言えます。

 

ブルームエナジーは今後大きくなるか?(成長性)

ではブルームエナジーの成長性を評価していきましょう。


 (出典:yahoo!finance

上記はブルームエナジーの予想売上高成長率です。今年は19%、来年は29%と、成長スピードが上がっています。

同業他社と比較すると、プラグパワーが73%(参照:Yahoo!finance)、バラード・パワー・システムズが40.60%(参照:Yahoo!finance)、フュエール・セルが56%です。ブルームエナジーの成長速度は、恐らく株式市場のなかでもかなり高い方な筈ですが、燃料電池関連では競合に劣ります。

上記を纏めると、ブルームエナジーの成長性はやや低いと言えるでしょう。

 

ブルームエナジーは倒産しないか?(安全性)

ブルームエナジーの安全性をチェックします。


(出典:macrotrends

短期的な資金繰りの安全性を示す流動比率は、上記3つのグラフの一番下です。

流動負債は今まで概ね100%を超えており問題はありません。

次に、借金が占める割合を示す自己資本比率は、2020年は9%、2019年はマイナスでした。

まだまだ安全な水準である30%には到達していませんが、改善傾向にあるので最悪では無いと思います。

キャッシュフローは、営業キャッシュフローがマイナス、投資キャッシュフローが小さなマイナス、財務キャッシュフローが大きなプラスです。まだキャッシュを生み出していないですが、成長企業には良く見られる資金繰りで、特段ブルームエナジーが劣っているということでは無いです。

上記を纏めると、ブルームエナジーの安全性は成長フェーズのもので、成長する道半ばで倒産する可能性も0では無く、安全とは言い難いです。  

 

ブルームエナジーは割安か(割安度)

ブルームエナジーが割安かどうかを判断する為に、PER(株価収益率)という割安度を示す指標を中心に各種分析をしてみましょう。

 

ブルームエナジーの株価パフォーマンスは?

既述の通り、ブルームエナジーの収益性は全然駄目、成長性もイマイチということでした。その実力から株価パフォーマンスを考えてみると、株価もあまり冴えない筈です。実際にはどうでしょうか?


 (出典:Yahoo!finance

上記はブルームエナジーの株価チャートです(赤線)。競合と比較すると、プラグパワーやバラード・パワーのパフォーマンスが凄すぎて、ブルームエナジーも含めて他の株価チャートが見えません。



(出典:Yahoo!finance

先ほどの株価チャートの下の方を拡大すると、上記の通りブルームエナジーのパフォーマンスは競合5社のなかでは3番手、真ん中くらいです。なので、やはりブルームエナジーの株価はその実力の通り、いまいちパッとしないですね。

因みに市場全体平均、S&P 500と比較すると、ブルームエナジーのパフォーマンスの方が少し低いです。ブルームエナジーの収益性の悪さが嫌われたのでしょうか、株式市場全体平均よりもブルームエナジーの方が将来性が無いと投資家が判断しているということになります。

 

ブルームエナジーの実力に対する評価は妥当か?

では次に割安度を示すPER(株価収益率)という指標が、その銘柄の実力に反して低いのかどうかを見たいのですが、それには問題があります。

というのも、ブルームエナジーは来期(2022年)も赤字の予想で、予想PERがマイナスです。

来年も収益が出ない予想なのに、株価がついているという状態なので、非常に割高だということです。

 

ブルームエナジーの株価は今安いか?


(参照:macrotrends

今の株価が瞬間的に安いのか高いのか、長期間でPERがどう推移しているのか見てみます。

上記(一番下のグラフ)の通り、ブルームエナジーはずーっと赤字なので特に何時が株価が高い、安いというのは無いです。

収益が出ていないのに株価だけがどんどん上がっているので、今は割高だと言えます。

 

ブルームエナジーの理論株価はいくらか?

最後にブルームエナジーの理論株価を計算したいのですが、キャッシュフローがマイナス、キャッシュを生んでいないので、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法で計算できません(無理やり計算すると理論株価がマイナスになる!?)。

キャッシュを生まない(寧ろキャッシュを使う)ので事業価値0、株主価値も0だと仮定すれば、理論株価は0ドル、今の株価の方が理論株価よりずっと高いということになります。

 

結局ブルームエナジーの株価は割安か?

上記分析結果を考察してみます。

基本的には市場が正しいと仮定して、なぜ割高という判断にならないのか、なぜ今の株価が適切なのかを考えてみます。

ブルームエナジーは未だ収益が出ていない成長フェーズの企業です。であれば、株式市場は収益性(EPS(一株当たり純利益))は見ておらず、売上高成長率の予想だけを見てブルームエナジーの価値を決めていると言えそうです。

あとは、かなーり遠い将来にキャッシュを生み出すという想定のもと、「理論株価は現在の株価と一致している」と株式市場が考えているかもしれません。

個人的には、今までずーっと赤字で黒字化の見通しが立たないのに「将来的に収益が出る」と可能性がよく分からないことを前提に株価を決めているような気がして、やはり株式市場のブルームエナジーに対する評価が高すぎる、割高だと思います。

 

ブルームエナジーは配当を出しているか(配当)

ブルームエナジーは無配当です。

無配当=投資すべきでない魅力の無い株、という訳ではありません。但し、配当は確実にリターンが得られる方法なので、配当はあった方が投資の期待値が上がるのは事実です。

 

ブルームエナジーの総評

以下は私個人が行った銘柄評価で、特定の企業や従業員、株主を攻撃する目的はありません。又、各銘柄について絶対的に正しい評価を議論するものでも無い為、私個人の銘柄評価に対する非難や誹謗中傷、嫌がらせはお止め下さい。

さて、しーおががの銘柄評価基準に照らし合わせた、ブルームエナジーの総合評価は44点です。

ブルームエナジーに限らず、収益が出ていない成長企業の点数はどうしても低くなってしまいます。

燃料電池車に皆が注目する中、あえて据え置きタイプだけに注目するところは面白いと思います。しかし、そもそも需要が少なくてキツイんじゃないかな、というのが率直な感想です。非常用電源が稼働するのは停電した非常時だけなので、たまーにしか使わない非常用電源をグリーンな燃料電池に替えても、そこまで温暖化対策になるとは考えにくく、ブルームエナジーの電力サーバーを導入するメリット、インセンティブを顧客が感じているのかなあ?と思います。

上記より、ブルームエナジーに投資するかどうか、「投資しない」というのが私個人の判断です。

以上、「停電時に大活躍!燃料電池関連ならブルームエナジーに投資すべき!?BEの銘柄分析」でした。

燃料電池関連銘柄として、カミンズの詳しい分析もしていますので下記も是非御覧ください!  

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