米国株

センチュリー・コミュニティーズ(Century Communities)の決算等の銘柄分析


(出典:Transport Topics)

さて、絶好調の住宅建設関連の銘柄をどんどん紹介していきたいと思います。

第2回はセンチュリー・コミュニティー(NYSE: CCS)を紹介します。当ブログでは恐らく初めて紹介する小型株で、恐らく誰も知らない銘柄ですが、割安で業績も良さそうなので選んでみました。

では、企業分析や業界分析、株価や決算等、詳しく銘柄分析をしていきましょう。

 

センチュリー・コミュニティーズの企業概要、事業内容(単純事業)

公式HPによると、センチュリー・コミュニティーズは2002年から事業を開始している、コロラドに本社を構える会社です。ニューヨーク証券取引所に上場したのは2013年になります。

従業員が1,403人と中規模ながらも、アメリカ50州中17州に延べ約5万軒もの住宅を建築した実績があります。

事業内容は、土地の開発も含めた住宅建設で、1つの事業に集中しているシンプルな構造です。

 

住宅建設の市場規模(社会需要)


(出典:Madison’s Lumber Reporter)

先ずは社会の需要と市場を見てみましょう。上記赤色が住宅の売上です(青は建設を開始した件数です)。2006年に大きく落ち込みましたが、これはサブプライム住宅ローン危機です。その後に順調に回復し、コロナ禍でも順調、寧ろ大幅に伸びていますね。

米国の人口は右肩上がりですし、上記のグラフより、住宅建設数は2006年のピークを未だ超えておらず、増加傾向は暫く続くことが期待できます。

 

住宅建設の業界構造(競争要因、参入障壁)

次は競争要因です。住宅建設について5フォース分析をしてみましょう。


(出典:Fixr

上記の通り、主要な住宅建設会社だけでも15社あり、競争が激しい業界です。業界トップはレナー、2番手がDRホートン、センチュリー・コミュニティーズは12番手です。1発で数千万円のデカい商売ですからね、契約を取るために複数の企業で激しい競争が繰り広げられています。

【関連情報】DRホートン(D.R.Horton)の決算・業績・財務等の銘柄分析

次は顧客との力関係です。センチュリー・コミュニティーズの顧客は家を買うエンドユーザーになります。エンドユーザーが家を買うと知れば、上記の企業が挙ってエンドユーザーに猛烈なアプローチを仕掛けるでしょう。一方、エンドユーザーにとってみれば、自分にピッタリの家を提案してくれれば、家がどのブランドかは気にしないでしょう。従って、センチュリー・コミュニティーズの顧客に対する交渉力は非常に弱いと言わざるを得ません。

仕入先との力関係はどうでしょうか。住宅建設には様々な材料が必要ですし、下請け会社の数も多いでしょう。建築材料について、木造建築の場合は木材の金額が一番大きくなりますが、米国で木材の会社は10社以上あるので(参照:THOMAS)、仕入れ先の選択肢は複数ありそうです。従って、センチュリー・コミュニティーズの仕入先に対する交渉力は強いでしょう。

代替サービスの脅威について、新築の代替案は複数思い浮かびますね。先ずは賃貸物件と中古物件です。シェアハウスや寮、社宅も代替になります。新築物件に対する需要は大きいですが、代替案が複数あるので、それらに市場を奪われないか、今後も油断出来ません。

新規参入者について、後からこの業界に入ってくるプレイヤーが多くなるかどうかは、この業界の参入障壁が高ければ少ない、低ければ多くなる傾向です。センチュリー・コミュニティーズ年次報告書には参入障壁は比較的低いと明言しています。住宅建設には許可が必要なものの、建築士等の人材を雇えば簡単にクリアできる条件だからでしょう。建設作業自体を下請けに発注すれば、自前で多くの労働力を確保する必要性も無くなります。但し、現時点で既にそれなりの数のプレイヤーが参加していることを踏まえると、住宅建設ブームが来ない限りは、今後爆発的に新規参入が増えることは無いでしょう。

 

センチュリー・コミュニティーズの強み(商品力)

センチュリー・コミュニティーズもDRホートンと同様、基本的には既製の住宅を販売しています。既製住宅の最大の弱点は、既に間取りや住宅設備が決まっているので、エンドユーザーが自分の好みに合わせて家をカスタマイズできないところです。センチュリー・コミュニティーズはこの弱点をカバーして、初めての住宅購入向けに金額を抑えたエントリーモデルから、家を買い替えてグレードアップしたい方向け等、様々なラインナップを用意している上に、自分好みに変えられるオプションとグレードアップを用意しています。

選べない既製品は嫌という人から、個性は無くても良いから予算を抑えたい人迄、幅広いエンドユーザーに住宅を提案できるところが、センチュリー・コミュニティーズの強みです。

 

センチュリー・コミュニティーズの株価


(出典:YAHOO!ファイナンス)

上記はセンチュリー・コミュニティーズの株価チャートです。2020年迄は低迷していましたが、コロナショックで落ち込んでから一気に高値まで上がって、今は少し落ち着いています。

チャートだけで判断すると現在は割高だと言えます。

 

センチュリー・コミュニティーズの株価指標(割安度)


(出典:YAHOO!ファイナンス)

センチュリー・コミュニティーズの各株価指標ですが、まずPER(株価収益率)を見てみましょう。センチュリー・コミュニティーズはS&P 500に含まれていませんが、住宅建設はConsumer Discretionary(一般消費財)に分類されるので、このセクターPERと比較します。Consumer DIscretionaryのPER=23.50(参照:gurufocus)と比較すると、センチュリー・コミュニティーズのPERの方がずっと低く、割安だと言えます。

次にPBR(株価純資産倍率)を見ます。Consumer DiscretionaryのPBR=3.50なので、これもセンチュリー・コミュニティーズの方が低くて割安です。DRホートンと共通して、住宅建設業界は明らかに投資家が見落としている業界で、業績如何に関わらず株が買われていないことが分かります。

 

センチュリー・コミュニティーズの配当金(配当)


(出典:Nasdaq

上記はセンチュリー・コミュニティーズの配当金です。2021年6月の配当金は0.15ドル(年間0.6ドル)、配当利回り1.02%です。高配当では無いですが、1%は超えているので、まずまずといったところでしょう。

配当金はこの6月に始めたばかりです。配当金を出せるくらいお金に余裕が出てきたということなので、良い傾向です。

 

センチュリー・コミュニティーズの業績(成長性、収益性)


(出典:センチュリー・コミュニティーズ年次報告書

上記より、センチュリー・コミュニティーズの2020年決算は増収増益となりました。

売上について、既述の通りセンチュリー・コミュニティーズはアメリカの広い地域に拠点があり、全ての地域で住宅の売上が増加しています。コロナの影響により、都心から郊外に引っ越すケースが増えたとのことです。都心から引っ越すユーザーが求めるのは、大抵は価格が抑えられたエントリーモデルなので、その需要に合わせるかたちで、センチュリー・コミュニティーズはエントリーラインナップに注力し、売上を伸ばしたということです。

営業利益について、前期比で大幅に伸びていますが、センチュリー・コミュニティーズはコスト管理を徹底している為、恐らくその結果が出てきているのでしょう。

純利益について、前期よりも法人税が大幅に増加していますが、法人税を差し引いても今年の利益は高かったです。

さて、センチュリー・コミュニティーズの収益性を見ると、今期の売上高純利益率は6.7%です。平均との比較について、センチュリー・コミュニティーズは「建設業」に含まれ、その業界の利益率平均は5~7%(参照:csi market)なので、センチュリー・コミュニティーズの収益性は平均的と言えます。

次にセンチュリー・コミュニティーズの最新業績です。2021年1Qは売上が前期比67%増で史上最高の9.5億ドル、純利益は4倍近く増加して1億ドルになりました(参照:センチュリー・コミュニティーズ2021年1Q報告)。最新業績では市場最高の利益を叩き出しています。


(出典:Reuters

上記の業績予想より、2021年の売上は前期比増の41億ドル、EPS(一株当たり利益)が倍増の11.64ドルです。EPSが指数関数的に上がっていて、期待が高くなる業績予想です。最新業績も絶好調だったので、上記業績予想も実現性が高そうです。

 

センチュリー・コミュニティーズの賃借対照表(成長性、収益性、安全性)


(出典:センチュリー・コミュニティーズ年次報告書

センチュリー・コミュニティーズの資産状況について、先ず中身を見ていきます。借方で圧倒的に多いのは在庫(流動資産)、貸方で大きいのは手形(流動負債)、株式払込余剰金と利益余剰金(純資産)です。DRホートンと同様、在庫回転率が悪いので在庫額が常に高くなっています。

では前期比での資産増減を見てみましょう。借方では現金や住宅ローン(流動資産)、貸方では未払い金(流動負債)や利益余剰金(純資産)が増加しています。純利益=利益余剰金が大きく増えて、結果として資産総額が増えている、まさに真の企業成長の姿と言えます。今後は設備投資等に資金を使って、更に収益力に磨きをかけたいところです。

次にセンチュリー・コミュニティーズのROA(総資産利益率)をチェックすると、純利益÷資産=7%でした。業界平均は5~8%(参照:CSI Market)なので、収益力は平均と言えます。

ROE(自己資本利益率)はどうでしょうか。センチュリー・コミュニティーズのROE=純利益÷純資産=16%、業界平均は12~16%なので、平均以内ですが高い方です。

流動資産÷流動負債=流動比率は177%で、100%を遥かに上回っており、短期の支払い能力は全く問題ありません。

自己資本比率は45%と、下限の30%を上回っており、倒産の心配は無さそうです。

 

センチュリー・コミュニティーズのキャッシュフロー計算書(安全性)


(出典:センチュリー・コミュニティーズ年次報告書

センチュリー・コミュニティーズのキャッシュフローを一つずつ見ていきましょう。

先ず営業キャッシュフローは、今期初めてプラスに転じています。昨年、一昨年は在庫増加分が大きかったので、損益計算書で純利益が出ていても、営業キャッシュフローはマイナスの状況でした。今年は在庫が良く出て減った為、純利益に在庫減少分が追加され、最終的に営業キャッシュフローが純利益より大きくなりました。

投資キャッシュフローは小さなマイナスで、ほぼ全て土地や設備投資になります。

財務キャッシュフローは小さなプラスで、返済も行っていますが、revolving credit facility(一定の期間や限度枠内で,企業が自由に借入や返済ができる契約)等の借入が大きく、最終的にはプラスになっています。

キャッシュフローを総合すると、本業でがっつりキャッシュが入って、投資で少しキャッシュを使い、その上で少し借入をしてキャッシュを調達している、上々の資金繰りです。財務キャッシュフローをマイナスにしたかったですが、年々減ってきており、センチュリー・コミュニティーズが借入を小さくしようと努力しているのが伺えるので、問題無いと思います。

 

センチュリー・コミュニティーズの総評

しーおががの銘柄評価基準に照らし合わせた、センチュリー・コミュニティーズの総合評価は80点です。

住宅建設は競争が激しいですが、現在は供給が逼迫して買い手が溢れている状況なので、現時点では競合と競争して消耗することは無いでしょう。新たに住宅購入を検討しているエンドユーザー向けにエントリーモデルに力を入れているところも高評価です。時価総額が大きくないので、伸びしろがあるのも魅力的です。

センチュリー・コミュニティーズに投資すべきかどうか、多少株価が上がっても「買うべき」というのがしーおがが個人の判断です。

以上、センチュリー・コミュニティーズの決算情報でした。

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