(出典:chargepoint)
さて、今回もEV関連銘柄の紹介を続けていきます!
今回はチャージポイント(NYSE:CHPT)を紹介します。
EV関連銘柄を調べている人なら知っているかもしれませんね。2007年に設立、2021年にIPOされたばかりの新興企業です。EV充電は今がまさに旬ですが、チャージポイントに投資すれば大きな値上がり益が期待できるんでしょうか、詳しく調べてみましょう!
ではさっそくいってみましょう!
目次
事業内容と競争
チャージポイントはEV充電スタンドメーカーです。
他の製品は取り扱っておらず、充電設備に特化した企業です。
企業の歴史詳細は分かりませんでしたが、ぽっと出の企業では無く、前からコツコツと実績と充電ネットワークを築いてきたようですね。
地味な充電スタンドというビジネスを着実に行ってきた甲斐もあって、2017年の時点でシェアは39%とトップです。
充電スタンドという機器だけなら比較的シンプルなのですが、多様なEVの充電規格にどう対応するか、設置費用はどうするか、エンドユーザーからの支払いはどう受けるか、エンドユーザーは充電スタンドをどうやって探すか、スタンドのメンテナンスはどうするか、トラブル時にサポートはどうするのか等々、かなり手間が掛かります。
チャージポイントはこれらサービス全てを確り行っている数少ない企業です。
充電設備特化企業だからこそ成せる総合力と言えます。
顧客と需要
ビジネスモデルの詳細情報が見つかりませんでしたが、ホームページの説明を見るに、基本的にはエンドユーザーが充電した分だけチャージポイントが収益を得られるので、顧客は実際に充電を行うエンドユーザーになります。
アパートやマンション、オフィス等の設置先は顧客では無く、あくまでチャージポイントのビジネスパートナーですね。
EVの充電スタンドが増えないと、せっかくEVを購入しても使えませんし、社会からの充電スタンドのニーズは非常に強いですね。
財務諸表
2020年は減収減益で赤字です。
損失が拡大していますが、製品保証債務額が見直された為です。
充電スタンドの保証対応が増加することを見込んでの修正ですね。
流動比率は100%を遥かに下回っており、支払い能力が全くありません。
未払費用が積みあがっており、早急な対応が必要になります。
自己資本比率はマイナスで、債務超過の状態です。
累積赤字で株主資本がマイナスになっていますね。
営業キャッシュフローはマイナス、投資キャッシュフローはプラスです。
投資キャッシュフローは、税金支払いの為の収入があったようです。
財務キャッシュフローは大きなプラスで、関連会社からのお金を受け取っています
チャージポイントの利幅は大きいか?(収益性)
以降ではチャージポイントの財務分析をしたいと思います。
先ずは収益性をチェックしていきますが、残念ながらチャージポイントは未だ赤字です。
競合は当然黒字ですので、比較すればチャージポイントの収益性は低いと言わざるを得ません。
チャージポイントは効率的にお金を回しているか?(効率性)
チャージポイントがお金を効率的に回して儲かっているかを調べてみますが、チャージポイントは2020年は売上が無いです。
競合は当然売上を上げているので、比較してしまえばチャージポイントの効率性は低いということになります。
チャージポイントは今後大きくなるか?(成長性)
ではチャージポイントの成長性を評価していきましょう。
(出典:Yahoo!finance)
上記はチャージポイントの予想売上高成長率です。2021年は57.70%、2022年は60.10%と驚異的な成長スピードです。
2020年の売上は0なので、2021年の成長率が57.70%は少しおかしいですが、何れにしても売上が立つ予想ということです。
競合と比較すると、ブリンク・チャージングの2022年の売上高成長率は80.50%、EVgoが166.30%、ボルタが169.90%、ビーム・グローバルが129.70%なので(参照:Yahoo!finance)、チャージポイントより成長率が高いです。
上記を纏めると、チャージポイントの成長性は少し低いと言えるでしょう。
チャージポイントは倒産しないか?(安全性)
チャージポイントの安全性をチェックします。
(出典:macrotrends)
短期的な資金繰りの安全性を示す流動比率は上記の通り(3つのグラフの一番下)です。
チャージポイントの流動比率は非常に高く、現在も基準となる1.00を超えており問題ないです。
資本金が占める割合を示す自己資本比率を見ると、2020年は債務超過になっています。早急に資金調達する必要がある状態です。
キャッシュフローについて、営業キャッシュフローが大きなマイナス、投資キャッシュフローが小さなプラス、財務キャッシュフローがプラスです。フリーキャッシュフロー(営業ー投資キャッシュフロー)が出ておらず、まだ収益を出せない状態だと分かります。
上記を纏めると、チャージポイントの安全性は低いと言えます。
チャージポイントは割安か?(割安度)
チャージポイントが割安かどうかを判断する為に、PER(株価収益率)という割安度を示す指標を中心に、各種分析をしてみましょう。
チャージポイントの株価(パフォーマンス)
既述の通り、チャージポイントは収益が出ていないですが成長性が非常に高いので、株価がどうなっているか予想がつきませんが、実際にはどうでしょうか?
(出典:yahoo!finance)
上記は5年間の株価チャートです。ブリンク・チャージング(BLNK)やビーム・グローバル(BEEM)のパフォーマンスが凄すぎて、チャージポイントの株価チャートが殆ど見えません。
チャージポイントのパフォーマンスはS&P 500(緑線)を上回るほど良いのですが、競合他社と比べると見劣りします。
チャージポイントの実力評価(PERと収益性、成長性)
次に割安度を示すPER(株価収益率)という指標が、その銘柄の実力に反して低いのかどうかを見たいのですが、チャージポイントは利益が出ていません。
収益が出ていないのに株価が付いているので、実力以上に株式市場から評価されていると言えます。
チャージポイントの理論株価
チャージポイントの理論株価を計算したいのですが、チャージポイントはキャッシュを生み出していないので、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法で株価が計算できません。
キャッシュが生み出せない企業なので、現在の株価は割高と言えます。
結局チャージポイントの株は割安なのか?
上記の分析結果を見ると、赤字にも関わらずチャージポイントの株は非常に割高と言えます。
基本的には市場が正しいと仮定して、何故実際の価値と株価の間で乖離があるのかを考察してみます。
先ずEV関連銘柄の人気が非常に高いと言えましょう。脱炭素が推進される中、誰もがEVに大きな可能性を感じています。投資家が将来大きなビジネスになると確信して、現在はキャッシュを生んでいなくても、EV関連銘柄にドンドン投資していくことは自然な流れです。
株主に個人投資家が多く(参照:cnn.com)、ファンダメンタル(業績等、銘柄に関する基礎的な情報)が株価に正しく反映されていない可能性もありそうです。
個人的には、収益が出ていないにも関わらず人気が高すぎるので、黒字化する迄は今の株価から更に上がる可能性は低いと思っています。
チャージポイントは配当を出しているか(配当)
チャージポイントはIPO直後なので、配当金は0です。暫くは配当を期待できそうにないです。
配当が出ていない=投資価値無し、という訳ではありません。配当を出していない株でも、キャッシュを生み出す優良企業はいくらでもあります。
総評
チャージポイントの個人的な総合評価は40点です。
充電設備という面倒臭いビジネスに本腰を入れて取り組んでおり、競合他社を圧倒する手厚いサービスが期待されます。市場シェアも高く、EV充電関連に投資したいなら、先ずチャージポイントが候補になりそうです。
しかし赤字企業で、いつ黒字化するかも分かりません。
個人的には、チャージポイントを今買うのは早過ぎで、黒字化の道筋が見えてから投資するのでも遅くないと思います。
以上、「EV充電のチャンピオン、チャージポイントの株を買うべき!?CHPTの銘柄分析」でした。
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