エンターテイメント関連 米国株 通信セクター

コンテンツの王様!ウォルトディズニーの株価は今後どうなる?DISの銘柄分析


(出典:WaltDisneyWorld

さて、今回からエンターテイメント関連銘柄を紹介したいと思います。

通信セクターで「エンターテイメント」という分類があるんですが、要はテーマパークとか、ゲームセンターとか、あとは動画配信等の銘柄です。

テーマパークはコロナで大打撃でしたが、動画配信はゲーム同様、巣籠りで寧ろ需要が増えましたよね。この分類も魅力的な銘柄が見つかりそうです!

第1回で紹介するのはウォルト・ディズニー(NYSE: DIS)です。

純ジブリ派!という方意外には、この企業は説明不要でしょう。「ミッキーとディズニーワールドだけの企業でしょ?」なんて舐めたら駄目です!ひと昔前とは事業内容が全く変わっており、凄い進化を遂げている企業なんです!

ではさっそくいってみましょう!

 

ディズニーの企業概要、事業内容


(出典:d23.com

ご存知の方も多いと思いますが、ウォルト・ディズニーは創業者の方のお名前で、1923年にウォルト・ディズニー氏本人が作ったアニメ「Alice's Wonderland」が一番最初の作品です。漫画家が世界トップクラスの企業を創ったと考えると凄いですね。

創業して暫くの間は、Aliceのようなアニメのシリーズを映画館で放映して収益を上げることを続けていきますが、新たに生み出したキャラクター、特にミッキーが人気が出てからは、キャラクターのライセンスを販売して収益を上げていきます。個人的には、ライセンス事業こそがウォルト・ディズニーの成功の原点であり、ウォルト・ディズニーの強みだと思っています。

因みに、ディズニーランドが出来たのは1955年です。カリフォルニアのディズニーランドが一番最初のらしいです。

さて、アメリカ大企業の得意技、買収をウォルト・ディズニーも繰り広げるわけですが、一番最初の大きな買収は1996年のABC(メディア会社)です。

2006年にはピクサー(コンピューターのアニメスタジオ、有名作はトイストーリー)、2007年にはHulu(動画配信企業)、2009年にはなんとアベンジャーズのMarvel、2012年にスターウォーズのLucasfilmまで買収してしまいます。アイアンマン、ダースベーダーとミッキーマウスとか、異色の組み合わせですよね。最早「ミッキーマウス」のウォルト・ディズニーでは無く、「娯楽コンテンツ」のウォルト・ディズニーというわけです。

ウォルト・ディズニーの主力事業はディズニーパークやストアの物品売買では無く、メディア・動画配信、そのなかでも特に売上が大きいのはテレビ放送チャンネルです、意外ですね。元々映画館のアニメ映画が始まりだったわけですが、今ではお茶の間のテレビ放送でウォルト・ディズニーは飯を食っているのです。

D2C、動画配信もディズニーパークと同じくらいの売上に成長してきていますが、未だテレビ放送チャンネルほどは大きくありません。

 

テレビ放送業界の外部環境(外部環境)

ウォルト・ディズニーに関する深い分析の前に、テレビ業界を取り巻く外部環境をざっくり分析します。

いくらウォルト・ディズニーが優秀な企業でも、テレビ業界が厳しい外部環境に曝されていると、今後の成長が難しくなってしまうからです。

政治:特に無し
経済:コロナで家計に打撃だったが、個人消費はコロナ前の水準に戻った
社会:コロナにより家で過ごす、テレビや動画を見る機会が増えた
技術:D2C、SaaS(ソフトウェアをサービスのように提供)、AI、アプリ、エンドユーザー発信コンテンツ(Youtube等)

上記を纏めると、テレビ以外の手段が増えてきているものの、基本的にはコロナが後押しして成長する機会が増えている印象です。

 

テレビ放送の需要(市場)


(出典:statista

アメリカのテレビ放送市場は上記の通り、今までは右肩上がりでしたが近年は横ばい、2020年の市場規模は1,718億ドルです。

今後、世界のテレビ放送市場の成長率予想は3.4%となっています(参照:GRAND VIEW RESEARCH)。

上記の成長率ですが、物価上昇を考慮すればほぼ横ばいということでしょう。

恐らく、ネット通信での動画配信に需要が取られて、テレビ放送が横ばいになっていると考えられます。

テレビ放送がお先真っ暗という訳では無いですが、今後ガンガン成長する分野で無いことは間違いないです。

 

テレビ業界の構造(業界構造)

テレビ業界構造は上記の通り、代替案である動画配信が最大の脅威であり、競争はそこそこ激しいでしょう。テレビチャンネル各社は動画配信にどう対応するかが鍵だと思います。

ウォルト・ディズニー含め、既にコンテンツとユーザー(ファン)を持っている企業の対応は早いです、動画配信プラットフォームを持って、自分で直接顧客にコンテンツを届ければ良いのです。

一方で、コンテンツで他社との差別化が図れず、動画配信に移行しようにも出来ない、ただのテレビメディアは今後が危ういと思います。

 

競合の強さと市場シェア(競合)


(出典:statista

ディズニーの業態が他の企業とは異なるので比較が難しいですが、参考の為にアメリカでのTV放送マーケットシェアを見てみましょう。

シェアトップはCBS、次にNBC、3番手にABCです。

ディズニーは様々な買収や資本参画していたり、様々なTVチャンネルに複雑に絡んでいるようで、どのTVチャンネルがウォルト・ディズニー寄りなのか理解が難しいですが、ABCは完全にウォルト・ディズニー傘下なので、少なくともアメリカで3番目のチャンネルはウォルト・ディズニーが押さえていると考えて良いでしょう。

 

経営資源の強さ(経営資源)


(出典:Harvard Business Review

人的資本:22万人を超える従業員を雇用し、圧倒的なマンパワーを誇る
物的資本:ディズニーを中心としたコンテンツ、ABC等のTVチャンネルを保有
財務資本:世界トップ20に入る圧倒的多額の資産を保有
組織資本:世界各国に無数の事務所、子会社を保有

コンテンツ系企業では間違いなく世界トップのウォルト・ディズニーは、上記の通り経営資源も非常に豊富で、その量だけでアニメ・映画・TVの競合他社を圧倒できるだけの力を持っていると言えるでしょう。

 

適切な経営戦略(経営戦略)

ウォルト・ディズニーの経営戦略は恐らく差別化戦略です。


(出典:d23

ミッキーマウスを含めたディズニーの超人気キャラクターという武器をフル活用し、普段はお茶の間のTV、週末は映画館でディズニー映画、旅行のお土産はディズニーストア、夏季休暇は家族でディズニーランドと、人のライフスタイルのあらゆる場面でディズニーを登場させ、顧客から日々収入を得ることができる仕組みを作り上げています。

ただのアニメ・映画会社には留まらないスケールでビジネスを展開するウォルト・ディズニーの経営戦略は他社が真似できず、今後もウォルト・ディズニーの一人勝ちが続くと予想します。

 

ウォルト・ディズニーの決算内容


(出典:2021年決算書

ウォルト・ディズニーの決算内容(2021年年次報告書)を一言で表すと

「ディズニーチャンネル等の登録者が増えて運動量(売上)は増え、運動成績は前年の落第点から回復(黒字に転換して純利益増加)。血液を生み出す力(営業キャッシュフロー)は相変わらず強く、筋トレ(投資キャッシュフロー)と献血(財務キャッシュフロー)で体質を改善!」

という感じで、昨年から回復して良い内容だと思います。

 

ディズニーの利幅は大きいか?(収益性)


(出典:macrotrends

上記はウォルト・ディズニーのROE(一番上)、ROA(真ん中)、売上高営業利益率(一番下)です。

何れも儲ける力を示すもので、競合他社と比べるとウォルト・ディズニーの利益率はそこそこ高かったのですが、2020年に大きく悪化して他社よりも利益率が低くなっています。

これは、2020年に営業利益マイナスの赤字に転落したからです。ディズニーランドの収入の落ち込みが激しく、主力のメディアだけではカバーできなかったことが原因です。


(参照:yahoo!finance

上記はエンターテイメント関連企業の売上高営業利益率の予想(2023年)です。
(Viacomだけまだ決算が終わっていないので、2022年の予想値を採用)

ウォルト・ディズニーの利益率は競合と比較すると可もなく不可もなくという感じです。

コロナ禍から脱却してディズニーランドに顧客が戻っていますが、コロナ前ほどの利益率には戻らないという予想でしょう。

あと、ウォルト・ディズニーは競合他社、メディア会社と比べると設備(減価償却費)が大きいので、利益率はどうしても劣る傾向があります。

上記を纏めますと、ディズニーランドの収益性は競合よりやや低いと言えます。

 

ディズニーは効率的にお金を回しているか?(効率性)


(出典:csi market

上記はウォルト・ディズニーの総資産回転率です。

数値が高いほど、小さい資産で効率的に売上を上げていることが分かりますが、ウォルト・ディズニーの回転率は0.28~0.33くらいでした。

メディア・TV放送業界の総資産回転率の平均は0.36~0.42(参考:csi market)なので、ウォルト・ディズニーの方が低いです。

これは、コロナでディズニーランドの売上が落ちたことと、他の企業と比べて固定資産(ディズニーランド)が多いことが原因だと思います。

上記より、ディズニーランドの効率性は少し低いと言えます

 

ウォルト・ディズニーは今後大きくなるか?(成長性)


(出典:macrotrends

上記はウォルト・ディズニーの売上(3つのグラフの真ん中)です。

今までは売上が右肩上がりで増加しており、コロナ後も直ぐに回復しています。

直近で売上が伸びているのはメディア関連、時にD2C(動画配信)が大きく伸びています。


(参照:yahoo!finance

上記はエンターテイメント関連企業の売上高成長率の予想(2023年)です。
(Viacomだけまだ決算が終わっていないので、2022年の予想値を採用)

ウォルト・ディズニーの成長率は競合他社より高いです。

コロナから素早く回復していましたし、ウォルト・ディズニーの絶頂期はコロナ前にディズニーランドが賑わっていたときで、規制緩和で顧客がディズニーランドに戻る分を見越していると思います。ディズニープラス等の動画配信の成長も見込んでいるんでしょう。

上記を纏めると、ウォルト・ディズニーの成長率は非常に高いと言えます。

 

ディズニーは倒産しないか?(安全性)


(出典:macrotrends

上記はウォルト・ディズニー(オレンジ点線)の流動比率(上)、DEレシオ(下)です。

何れも安全性を示す指標で、流動比率は目安である1を超えており、DEレシオは1.5を下回っているのでOKです。


(出典:2021年決算書

上記は既にお見せしたディズニーのキャッシュフロー計算書ですが、2021年度は営業キャッシュフローが投資キャッシュフローのマイナスより大きく、資金繰りも良い内容です。

上記を纏めると、ウォルト・ディズニーの安全性は高いと言えます。

 

ウォルト・ディズニーは割安か?(割安度)

ウォルト・ディズニーが割安かどうかを判断する為に、企業価値について相対評価、絶対評価(バリュエーション)を行ってみましょう。

 

ウォルト・ディズニーの相対価値評価

先ずはさくっと簡単に割安度が評価できる、相対評価を行っていきます。

 

株価チャート


(出典:yahoo!finance

上記はウォルト・ディズニー(赤線)と競合4社、S&P 500の株価チャート(5年間)です。

ウォルト・ディズニーのリターンは5年で33%、5社のなかでは真ん中くらいで、可もなく不可もなくという成績です。

 

配当利回り

ウォルト・ディズニーは現在無配当なので(2019年は配当が出ていました)、配当利回りは評価不可(他社よりは低い)です。

 

EV/EBITDA倍率


(参照:yahoo!finance

上記はエンターテイメント企業各社のEV/EBITDAです。

この評価尺度は、企業価値(EV)に対して、利息・税金・減価償却支払い前利益(EBITDA)がどれくらい大きいかを示す指標です。

ディズニー以外の4社のEV/EBITDAは平均8.22です。それに対してディズニーのEV/EBITDAは32.18なので、ディズニーが非常に割高だと分かります。

因みに、上記から理論的な企業価値を求めると70.75Bとなり、現在の企業価値296.60Bは理論値より約4倍大きいことが分かります。

株価に例えると、現在(2022年2月6日)の株価は142.02ドルですが、理論的な株価は33.88ドルになります。

 

ディズニーの絶対価値評価

ディズニーの理論株価は上記の通りで、2022年2月6日現在の株価は142.02ドルと理論株価の2倍、割高の状態だと言えます。

理論株価をDCF(ディスカウントキャッシュフロー)法で計算した際の条件は下記の通りです。

・今後10年分のフリーキャッシュフローは、過去5年分(参照:reuers)から予想
・リスクフリーレート(リスク0の投資先の利回り)は米国10年国債の利回り(参照:marketwatch
・ベータ(個別の株価変動リスク)はディズニーの株価とS&P 500から算出(参照:yahoofinance
・マーケットリスクプライム(投資家が株式に期待するリターン)はS&P 500の過去10年のリターンの平均値(参照:macrotrends
・有利子負債資本コスト(企業が借りている借金の金利)やD/Eレシオ(負債と資本金の比率)は最新の決算書を参照
・永久成長率は米国の物価上昇率を参照(参照:statista
・必要手許現預金は月商3か月分
・保有しているその他流動資産、その他固定資産等は余剰投資資産と想定

 

結局ディズニーは割安か、今後株価は上がるのか?

結論、ウォルト・ディズニーの株価は割高です。

理由は下記の通りです。

・過去5年のリターンは低かったが、企業の実力がまあまあなので妥当な評価
・EV/EBITDAの分析の通り、キャッシュフローの割に時価総額が大きすぎる
・DCF法での計算の通り、株主資本コストが高い(株価変動が大きくてリスクが高い銘柄)ので現在価値が低い、株の発行数が多いから1株当たりの価値が薄まる

今後の動向ですが、殆ど株価は上がらないでしょう。

理由は

①ディズニーは超大型株で数多くのファンドが投資しており、ファンダメンタルズが反映されている
②今後の成長、フリーキャッシュフローの増加も現在の株価に織り込まれている
③ディズニーランドの完全復活は未だ先なので、利益率の劇的な改善は期待できない

だからです。

 

ディズニーの総評

以下は純粋に株式投資判断の為だけに私個人が独断で行った銘柄評価であり、特定の企業や従業員、株主を応援したり、逆に攻撃する意図もありません。下記に対して非難や誹謗中傷、嫌がらせは止めて下さい。

さて、しーおががの銘柄評価基準に照らし合わせた、ウォルト・ディズニーの総合評価は上記の通りで、個人的な投資判断は「売り」です。

株価が急に暴落する可能性は低いですが、明確に割高な状態なので、ディズニーの株をずっと持ち続けるのは得策では無いと思います。ビジネスモデルが優れており、経営資源も非常に豊富なだけに投資機会が無いのは残念ですが、個人投資家やファンドから人気が高い株は割高になりがちで投資対象から外れることが多いのです。

以上、「コンテンツの王様!ウォルトディズニーの株価は今後どうなる?DISの銘柄分析」でした。

 

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