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イートン・コーポレーション(Eaton corporation)の決算情報


(出典:Forbes WHEEL)

さて、今回もEV関連を続けます。

今回はイートン・コーポレーション(NYSE: ETN)を紹介します。

 

イートンの事業内容

公式HPによると、イートンの歴史は1911年にまでさかのぼります。最初はトラックの車軸を作っていたそうです。

今日、イートンは電気部材、航空機部材、自動車部材、そしてEV関連と、幅広い分野の製品を提案しています。EV関連でも、充電設備のみならず、回路保護装置や配電盤、コンバーター、スイッチ等、様々な機器を取り扱っています。

 

EV充電の市場規模


(出典:evadoption)

上記はアメリカのEV充電設備の数になりますが、年々増加傾向です。
2020年時点でも設置総数が増加しており、今後もこの傾向が続くと見られます。

脱炭素が推し進められている中で、充電設備が無いとEVも普及が進まないので、EV充電の設置は緊急課題と言えます。

 

イートンの競合


(出典:evadoption)

EV充電だけに限定すると、イートンの競合はチャージポイント等です。
アメリカにおいて、2017年時点ではチャージポイントが首位、Teslaが2位といった順番になり、イートンは入っていません。

イートンは電気機器や自動車部材を幅広く取り扱う巨大企業なので、イートンにとってEV充電は数多ある製品群の中の1つであることを注意して下さい。例えばブレーカーの製造では、イートンは世界5本の指に入ります(参照:businesswire)。なので、イートンの競合はむしろABBやシュナイダー等の世界的な電気機器メーカーになります。

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イートンの株価


(出典:YAHOO!ファイナンス)

イートンの株価は、2020年までは緩やかな上昇傾向でしたが、2020年3月のコロナ禍で一度落ち込んだ後、大きく伸びて今日は最高値になっています。

チャートだけ見ると少し株価が高い状況です。

 

イートンの各指標


(出典:YAHOO!ファイナンス)

イートンの各指標ですが、まずPER(株価収益率)を見てみましょう。WSJによると、S&P 500のPERは36で、米国市場の平均と比較すると、イートンのPERは割高です。

次にPBR(純資産倍率)ですが、基準は1倍なので、これも割高の水準です。

上記より、イートンの株価はかなり割高と言えます。

 

イートンの配当金


(出典:イートン 年次報告書

イートンは配当を行っており、上記の通りここ3年間では増配傾向です。2021年5月の配当金は0.76ドル(年間3.04ドル)でした。

株主に確り還元しており、増配できるだけお金に余裕があると言えます。

 

イートンの業績(損益計算書)


(出典:イートン 年次報告書

2020年は減収減益(赤字)となっています。

売上の落ち込みはコロナによる影響の他、照明部門や自動車用油圧配管部門の売却により売上が落ちました。

尚、イートンの売上で一番大きいのは電気機器部門ですが、こちらもコロナの影響で売上が落ちました。EV部門は売上の1.7%で一番小さい部門で、こちらも売上が減少しています。

又、イートンの利益率は7.9%ですが、電気機器・配線メーカーの平均は1~12%なので(参照:CSIMarket)、利益率は平均的と言えます。

最新の業績について、2021年1Q四半期報告によると、売上は前期とほぼ同じで47億ドル、一株当たり利益は15%増の1.44ドルでした。イートン自身の業績予想を超えており、好調だということです。

上記を纏めると、コロナの打撃はあったものの、回復の兆しは見えていると言えます。

 

イートンの資金繰り(キャッシュフロー計算書)


(出典:イートン 年次報告書

イートンのキャッシュフローは、営業キャッシュフローがプラス、投資キャッシュフローがプラス、財務キャッシュフローが大きなマイナスです。

営業キャッシュフローは前期比で減っていますが、「イートンの業績」で既述の通り、コロナや事業売却で売上が減った為です

投資キャッシュフローのプラスは、主に既述の事業売却による収益です。

財務キャッシュフローのマイナスは、株の買戻しと配当金が主です。

上記より、株主への貢献アピールに少しお金を使い過ぎな感はありますが、キャッシュが手元に残っており資金繰りは問題無いと言えます。

 

イートンの財務状況


(出典:イートン 年次報告書

イートンの財務状況は、取引量が減って資産がやや減少しています。

流動資産÷流動負債=流動比率は156%で、100%を超えており支払い能力は十分です。

自己資本比率は47%と、理想の40~50%の範囲にあり、倒産の心配は全くありません。

上記より、財務状況は全く問題無く、支払いが行き詰まる可能性はまずありません。

 

イートンの業績予想

2021年1Q四半期報告によると、1Qの時点で業績予想を上方修正しており、一株当たり利益が前期比24%増の6.10ドルとなっています。
Craig Arnold CEOは「コロナ前のレベル迄戻ってきている」と力強いコメントをしています。

 

総評

イートンの個人的な総合評価は67点です。

競合が多く無いという理由があるものの、電気機器という業界において世界トップの競争力を誇示しており、その実力は非常に魅力的です。一方、地味な業界で急激な成長は期待できません。配当が高いのは非常に魅力的ですが、株価は割高ですね。

イートンに投資すべきかどうか、割高なので今は「買わない」というのが私個人の判断です。

以上、イートンの決算情報でした。

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