米国株

堅実な実績に株式市場は気付いていない!?グランド・キャニオン・エデュケーションの決算分析


(出典:azcentral

先日、教育関連のおススメ銘柄の中で、グランド・キャニオン・エデュケーション(NASDAQ: LOPE)を紹介させて頂きました。

隠れた成長業界で大きな利益が狙えるかも!?教育関連のおススメ銘柄3選

そこで、今回はグランド・キャニオン・エデュケーションが投資に値するかどうか、詳しく調べてみたので、その結果を皆さんにも共有したいと思います。

ではさっそくいってみましょう!

 

グランド・キャニオンの企業概要、事業内容(単純事業)

グランド・オリエンタル・エデュケーションは大学生をサポートする各種サービスを提供する企業です。その名の通り、グランド・キャニオンから車で約3時間のフェニックス(アリゾナ州)に本社を構えます。

元々はグランド・キャニオン大学を運営していましたが、2018年に大学を非営利団体に売却しています。グランド・キャニオン大学は現在完全に独立していますが、サービスを受けている重要な顧客の1つです。

グランド・キャニオン・エデュケーションは、授業料や金融サービス等の情報を提供するカウンセラー、授業の単位等の管理システム、学生情報システムの管理やデータ入力、授業料の支払いに関する経済支援等、学生のキャンパスライフをサポートする事業を行っています。提供してるサービスはいずれも大学生のキャンパスライフにフォーカスしたもので、投資家にとって事業複雑化、多角化によるリスクが少ない銘柄だと言えます。

 

教育テクノロジーの市場規模(社会需要)


(出典:EDTECH DIGEST)

上記はアメリカにおける教育テクノロジーの市場規模です。過去のデータが少ないですが、今までも増加傾向で、今後も続くという予想です。

上記の数字ですが、恐らく学校や大学でシステムの導入が進んでいないことを受けて、今後伸びるという予想でしょう。もしかしたら学生の満足度を大切にする大学があるかもしれませんが、基本的にはあまり顧客(=学生)重視では無いので、グランド・キャニオン・エデュケーションのようなシステム導入が遅れるのは容易に想像できます。

上記より、教育テクノロジーの需要は今後も伸びると考えられます。  

 

大学生サポートシステムの業界構造(競争要因)

大学生サポートシステム業界について5フォース分析をしてみましょう。

先ず直接の競合は他のシステムプロバイダーです。規模が大きく有名どころはPearsonWiley2Uになります。これ以外にも競合は存在する筈ですが、大学の運営にフォーカスして、システムやサービスを提供する企業はそこまで多くないかもしれません。従って、競合間の競争は中程度と言えるでしょう。

次は顧客との力関係です。グランド・キャニオン・エデュケーションの顧客は大学になります。大学にとって、システムプロバイダーは複数から選ぶことが出来ます。大学へのシステム導入実績等で絞ると、候補に上がってくるシステムプロバイダーはそこまで多くは無い筈です。従って、顧客の交渉力は普通と言えるでしょう。

仕入先との力関係はどうでしょうか。情報が見つかりませんでしたが、恐らくグランド・キャニオン・エデュケーションは自前でシステムを作っているので、仕入先と言えばシステム構築のツールやデータセンターのPCメーカー等でしょう。特殊なツールやPCを使っているわけでは無いので、複数社を価格で比べる交渉力はありそうです。

代替商品の脅威について、先ず思いつくのは大学自前でのシステム構築です。プログラミングを教えている大学等は、さくっと自分たちでシステムを作りそうですね。本当にできるのか分かりませんが、フリーのエンジニアに依頼して作るケースもありそうです。オンライン授業なら、Zoom等を含めて、既存のサービスが既に複数あります。以上より、代替案は幾つかありそうです。

新規参入者について、近年は教育テクノロジー企業の興隆があり、グランド・キャニオン・エデュケーションと競合する企業も出てきそうです。ソフトウェア開発は人気の業種なので、新規参入が増える可能性は十分にあります。

上記を纏めると、大学生サポートシステム業界の競争は中程度と言えるでしょう。  

 

グランド・キャニオンは顧客を独占しているか(独占力)

グランド・キャニオン・エデュケーションの強みは、40年近くの大学運営を通じて培われた、経験に基づいたシステムの開発です。

大学の運営を知り尽くしているグランド・キャニオン・エデュケーションだけができる、学生の為に「あったら良いな」なシステムや機能を開発しています。

グランド・キャニオン・エデュケーションが提供するシステムは、大学生のキャンパスライフを部分的にカバーするものでは無く、全てをカバーする「フルサービス」なので、学生は「○○はこのアプリケーション、○○はこのアプリケーション」と自分でシステムを探すストレス無く、大学生活全てをグランド・キャニオン・エデュケーションに任せる便利さがあります。

今日、グランド・キャニオン・エデュケーションは25の大学にサービスを提供しています。全米の大学の数に比べればごく一部ですが、それでも確実にシェアを握っています。グランド・キャニオン・エデュケーションのシステムの利便性が認められれば、今後多くの顧客(大学)を独占することでしょう。  

 

グランド・キャニオンに似た事業を他社が始めるか(参入障壁)

一般論としてシステムプロバイダーは、システムエンジニアさえいれば始められる(フリーのエンジニアを使えば人材も必要無い!)、参入障壁が低い事業です。大学運営のノウハウが必要ではあるものの、グランド・キャニオン・エデュケーションの事業も例外ではありません。

 

グランド・キャニオンの株価と業績に不一致があるか(株価)

 
(出典:Macrotrends

上記のグラフは、一番上から株価、EPS(一株当たり利益。これを業績と考えて頂いて問題無いです)、PER(株価収益率。これが高ければ割高、低ければ割安と分かる指標)の順に並んでいます。

株価は2018年にピークを打った後、鳴かず飛ばずの状況です。2018年にグランド・キャニオン大学を売却したことと関係があるように見えます。

しかし、上記の通りEPSは売却後も伸びています。業績が伸びているにも関わらず株価は低い、寧ろ若干下がっている状況から、現時点でグランド・キャニオン・エデュケーションはお買い得の状態であると言えます。

 

グランド・キャニオン・エデュケーションは割安か(割安度)


(参照:Yahoo!ジャパン

グランド・キャニオン・エデュケーションについて、割安度を示す各指標を見てみましょう。

PER(株価収益率)について、S&P 500という選抜された米国大企業の業界平均がPER=21.74なので(参照:gurufocus)、グランド・キャニオン・エデュケーションの方が平均より低いです。

次にPBR(株価純資産倍率)について、業界平均はPBR=1.70で、こちらはグランド・キャニオン・エデュケーションの方が上です。

上記だと、PERは平均より低いが、PBRは平均より高いとなり、判断が少しややこしくなります。PBRを軽視するわけでは無いですが、純資産(=PBR)の大小で投資するしないと判断する投資家は少なく、基本的に業績(=PER)の良し悪しで投資判断する人が多いようです。

従って、上記のケースではグランド・キャニオン・エデュケーションは割安だと言えます。

 

グランド・キャニオンは配当を出しているか(配当)

グランド・キャニオン・エデュケーションは無配当で、今後も出す予定は無さそうです。

無配当=お金が無いというわけでは無いので、ちゃんと収益が出ているかは財務諸表を見て判断しましょう。

 

グランド・キャニオン・エデュケーションの決算内容

グランド・キャニオン・エデュケーションの決算内容(2021年第2四半期)を一言で表すと、「システムの登録者数、学生当たりの単価も増えて運動成績(純利益)は上々、体の大きさ(資産総額)は変わってないけど骨(利益余剰金)が太くなって体質が大きく改善という感じです。

下記(3つのポイントの後)に財務諸表があるので、詳細を確認されたい方はそちらをご覧ください。

 

ポイント1

先ず注目すべきは損益計算書(Consolidated Income Statements)の営業利益(Operating income)です。前期と比較して増益となっていますが、システムの登録者数が増えた他、学生当たりの収益が増加した為です。アメリカで大学進学率が上昇している影響がありそうです(参照:Best Colleges)。

 

ポイント2

次に賃借対照表(Consolidated Balances Sheets)の純資産(Total Shareholders' equity)をご覧ください。資産総額(Total assets)、純資産は期首から殆ど変更が無いですが、利益余剰金(Retained earnings)が増えており、自己株式(Treasury stock)のマイナスが大きくなっています。利益が蓄えられていますが、自己株買いでプラスマイナスゼロとなっている状況です。目に見えた成長はありませんが、内容は確実に改善されて良い傾向です。

 

ポイント3

キャッシュフロー計算書(Consolidated statements of Cash Flows)は投資キャッシュフロー(Net cash used in investing activities)の大きなマイナスが目立ちます。投資の大半はグランド・キャニオン大学への資金提供です。こちらは7月に既に返済済みなので、次期のキャッシュフロー計算書では大きなプラスになります。

2021年2Qだけを見ると現金残高(Cash and cash equivalents and restricted cash, end of period)が大幅に減っていますが、一時的なものなのでそこまで気にする必要は無さそうです。

 

財務諸表

 


(出典:2021年第2四半期報告書

 

グランド・キャニオンは今後大きくなるか?(成長性)

グランド・キャニオン・エデュケーションの成長性を評価していきましょう。

最新決算の損益計算書より、営業利益は前期比4%増の5,024万ドル、EPSは9%増の1.09ドルと、増収増益となり好調でした。


(参照:Reuters

上記はグランド・キャニオン・エデュケーションの業績予想です。決して成長スピードが速いとは言えませんが、2021年度も増収増益の予想となっています。

グランド・キャニオン・エデュケーションは複数の大学と長期契約を締結しています。従って、契約が終了しない限りは上記の予想に大きなズレは生じません。一方で、各学期の生徒の登録数や、オンライン授業の終了等により、予想より業績が下がる可能性はあります。

上記を纏めると、グランド・キャニオン・エデュケーションはゆっくりですが着実に成長の道を辿っていると言えます。

 

グランド・キャニオンは儲かっているか?(収益性)

グランド・キャニオン・エデュケーションの収益性をチェックしていきましょう。

先ず売上高純利益率を計算してみましょう。損益計算書より、2021年2Qの売上高純利益=24%です。業界平均(教育サービス)の利益率=4%(参照:csi market)と比較すると、グランド・キャニオン・エデュケーションの方が利益率はずっと上です。

次にグランド・キャニオン・エデュケーションのROA(総資産利益率)をチェックすると、純利益÷総資産=2%でした。業界平均も2%(参照:csi market)だったので、ROAは平均的となります。

グランド・キャニオン・エデュケーションのROE(自己資本利益率)=純利益÷純資産=3%ですが、業界平均は~4%なので、これも大体平均レベルです。

上記を纏めるとグランド・キャニオン・エデュケーションの収益性は平均より高いと言えるでしょう。

 

グランド・キャニオンは倒産しないか?(安全性)

最後にグランド・キャニオン・エデュケーションの安全性をチェックしましょう。

賃借対照表より、短期的な資金繰りの安全性を示す流動比率=流動資産÷流動負債=87%で、100%を下回っています。システムインテグレーションは仕入れが少ないので、流動負債が多いのは少し不思議です。賃借対照表を見ると、期首と比較して現金が大幅に減っており、支払い手形が増えています。従って、今期は一時的に現金が出ていくのが多かったと予想できます。ずっと現金不足の状態が続くとマズいので、賃借対照表は次期も確り見る必要があります。

自己資本比率=純資産÷資産総額=83%と、理想の50%を上回っており文句のつけようがありません。

次にキャッシュフロー計算書から見る安全性ですが、営業キャッシュフローはプラス、投資キャッシュフローが大きなマイナス、財務キャッシュフローもマイナスです。今期の資金繰りだけを見ると、少し無理をしている内容だと言わざるを得ません。只、来期はグランド・キャニオン大学からの返済がありますし、キャッシュフローはかなり改善される見込みです。

上記を纏めると、グランド・キャニオン・エデュケーションの安全性は普通のレベルと言えます。

 

グランド・キャニオン・エデュケーションの総評

以下は私個人が行った銘柄評価で、特定の企業や従業員、株主を攻撃する目的はありません。又、各銘柄について絶対的に正しい評価を議論するものでも無い為、私個人の銘柄評価に対する非難や誹謗中傷、嫌がらせはお止め下さい。

 さて、しーおががの銘柄評価基準に照らし合わせた、グランド・キャニオン・エデュケーションの総合評価は78点です。グランド・キャニオン・エデュケーションが提供するシステムが学生にとって本当に欠かせないツールなのか、インターネットでは調べきれないところで、競争力があるかどうかは気になるところです。一方、スローペースですが確実に業績を伸ばしており、株式市場はそれを評価していないように見えます。

グランド・キャニオン・エデュケーションに投資すべきかどうか、株価が冴えない今こそ「投資すべき」というのが私個人の判断です。

以上、「堅実な実績に株式市場は気付いていない!?グランド・キャニオン・エデュケーションの決算分析」でした。

教育関連銘柄で他のおススメ銘柄を見てみたい方は下記ご参照下さい。

隠れた成長業界で大きな利益が狙えるかも!?教育関連のおススメ銘柄3選

↓最後にブログランキングをポチッと押して頂けると嬉しいです!

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ  

-米国株

© 2022 しーおががの米国株ブログ Powered by AFFINGER5