(出典:electrive.com)
さて、今回もEV充電関連を続けます。
今回は韓国の自動車メーカー、ヒュンダイ(KRX 005380)を紹介します。
ヒュンダイは韓国証券取引所なので、投資したい方は口座を持っている証券会社に取扱があるか確認下さい。
目次
ヒュンダイの事業内容
ヒュンダイは韓国の自動車メーカーで、公式HPによると1967年に創立の歴史ある会社です。
日本は国産車が多いので知名度は高くないと思いますが、海外ではよく見かける車です。
特に新興国では、トヨタはあまりにも高すぎて、お手頃なヒュンダイの車の方が多いくらいです。
ヒュンダイは当然EVを生産していますが、EV充電設備も製造しています。
通常の交流充電の他、直流の高速充電設備も提案しています。
EVの市場規模
(出典:Virta Global)
ヒュンダイはEVメーカーなので、EV充電では無くEVの市場規模を説明します。
上記は世界のEVの数になりますが、年々増加傾向です。
コロナ禍でもEVの数は増えていたので、これからはコロナの収束が期待されるなかで、今後も増加傾向が続くと見られます。
脱炭素が推し進められている中で、ガソリン車が強制的に無くなっていく状況下、否が応でもEVの普及が進んでいくと言えます。
ヒュンダイの競合
(出典:wattEv2buy)
上記は2020年(1~6月)の各EVメーカーのランキングです。
1位は当然ながらテスラ、ヒュンダイは4位です。
意外と良い位置にいますね。
【関連情報】テスラの株情報
競合と比較した優位性ですが、ヒュンダイのKona EVの評判は上々です。
U.S. News & World ReportEVは、同クラスでは一番長い走行距離で、標準的な運転アシスト機能も備えていると評価しています。
ヒュンダイは自動車メーカーとしての歴史も長く、安心できる品質を確立しており、加えて世界に幅広い販売網を持っている、世界トップクラスの自動車メーカーと言えます。
ヒュンダイの株価
(出典:Bloomberg)
ヒュンダイの株価は、2020年迄はずっと低迷していましたが、コロナでの株価下落後に急速に回復、上昇しました。
2021年6月22日現在は、過去5年間でほぼ最高値となっており、お手頃価格とは言い難いです。
ヒュンダイの各指標、配当金
(出典:Bloomberg)
ヒュンダイの各指標ですが(2021年6月22日時点)、まずはPER(株価収益率)を見てみます。
韓国市場の平均は18なので(CEIC Data 参照)、それと比較すると割高です。
CSIMarketによると自動車業界の平均のPERは50~200で、それと比較すると低いですが、通常は15~25倍くらいなので、左記の数字は異常(PERが非常に大きい企業が平均値を大きく引き上げている)と言えます。
上記より、ヒュンダイはやや割高であると言えます。
(出典:Investing.com)
配当金ですが、ヒュンダイは直近では配当を行っています。
2020年には残念ながら配当金が減ってしまいましたが、それでも継続的に配当金が出ているところは高評価です。
ヒュンダイの業績(損益計算書)
(出典:ヒュンダイの年次報告書)
2020年は減収減益となっています。
売上が減少した詳細な説明がありませんでしたが、statistaによると2020年はコロナの影響で自動車販売台数がへこんだので、ヒュンダイも少なからずその影響を受けたものと見られます。
(ヒュンダイの年次報告書は、説明が無いし注釈が見つからないし、とっても読みにくかったです・・・)
尚、ヒュンダイの利益率は1.8%ですが、CSIMarketによると自動車業界の利益率は1~4%なので、ヒュンダイの利益率は平均的と言えます。
2021年1Q四半期報告によると、前期比8%増の売上27兆ウォン、純利益は約3倍の1.5兆ウォンでした。
2020年には不振でしたが、1Qで既に回復の兆しが見えています。
上記より、コロナの影響は受けたものの、ヒュンダイの業績は全く問題無いと言えます。
ヒュンダイの資金繰り(キャッシュフロー計算書)
(出典:ヒュンダイの年次報告書)
ヒュンダイのキャッシュフローは、営業キャッシュフローがマイナス、投資キャッシュフローは大きなマイナス、財務キャッシュフローが大きなプラスです。
営業キャッシュフローについては、主に営業に関わる資産・負債の変更により、最終的にマイナスとなりました。
投資キャッシュフローは、土地や設備投資が大半を占めていました。
財務キャッシュフローは、長期借入金や債券で資金を獲得しています。
上記より、少し資金繰りに無理がある、投資が大きすぎて借入が多くなり過ぎないかが心配です。
ヒュンダイの財務状況
(出典:ヒュンダイの年次報告書)
ヒュンダイの財務は、借入や投資が増えて資産が大幅に増加しています。
流動資産÷流動負債=流動比率は140%で、100%を超えており支払い能力は問題ありません。
自己資本比率は36%と、最低ラインの20~25%を超えているので、一先ず倒産の心配は無さそうです。
上記より、財務状況は完璧では無いものの問題があるレベルでは無いと言えます。
ヒュンダイの業績予想
公式HPには業績予想が見当たりませんでした。
只、既述の2021年1Qの結果を見るに、回復の兆しは見えており、2021年は増収増益になることが期待できます。
総評
ヒュンダイの個人的な総合評価は68点です。
世界トップの自動車メーカーは、競合他社に対して優位性があります。
やや資金調達に不安がありますが、財務は問題無いので、そこまで気にする必要は無いでしょう。
ちょっと割高でお得感が無いのは残念です。
結論、ヒュンダイに投資すべきかどうか、私は「投資しない」という判断です。
しかしEV銘柄のなかでもヒュンダイは有望な投資先だと思います。
以上、ヒュンダイの決算情報でした。