米国株

メリテイジ・ホームズ(Meritage Homes) の決算・業績・財務等の銘柄分析


(出典:Transport Topics)

さて、絶好調の住宅建設関連の銘柄を続けます。

第4回はメリテイジ・ホームズ(NYSE: MTH)を紹介します。センチュリー・コミュニティーズと同じく小型株になりますが、業績も株価も良かったので選んでみました。

では、企業分析や業界分析、株価や決算等、詳しく銘柄分析をしていきましょう。

 

メリテイジ・ホームズの企業概要、事業内容(単純事業)

公式HPによると、メリテイジ・ホームズは1985年から住宅建設を行っています。意外と歴史が古い会社ですね。これまでに13万軒以上の建設実績を持ちます。Avid Awardsというアメリカの住宅顧客満足度で最高位のダイヤモンドを受賞したり、建設業界における評価も上々です。

本社はグランドキャニオンがあるアリゾナ州にあります。住宅建設を行っているエリアとしては、アリゾナに加えてカリフォルニア、テキサス等、沿岸部を中心とした9州です。

メリテイジ・ホームズは1997年にニューヨーク証券取引所に上場しています。上場して10年以上経っており、その存在感も安定しています。

事業内容は、住宅の設計、建設及び販売です。住宅ローン、保険も提供しています。いずれにしても住宅一本という事業内容でとてもシンプル、投資家にとって余計なリスクを心配することは無さそうです。

 

住宅建設の市場規模(社会需要)


(出典:Madison’s Lumber Reporter)

先ずは社会の需要と市場を見てみましょう。上記赤色が住宅の売上です(青は建設を開始した件数です)。2006年に大きく落ち込みましたが、これはサブプライム住宅ローン危機です。その後に順調に回復し、コロナ禍でも順調、寧ろ大幅に伸びていますね。

米国の人口は右肩上がりですし、上記のグラフより、住宅建設数は2006年のピークを未だ超えておらず、需要の増加傾向は暫く続くと期待できます。

 

住宅建設の業界構造(競争要因、参入障壁)

次は競争要因です。住宅建設について5フォース分析をしてみましょう。


(出典:Fixr

上記の通り、主要な住宅建設会社だけでも15社あり、競争が激しい業界です。2019年の業界トップはレナーで、2番手がDRホートン、メリテイジ・ホームズは10番手です。1発で数千万円のデカい商売ですから、契約を取るために複数の企業で激しい競争が繰り広げられています。

【関連情報】
レナー(Lennar) の決算・業績・財務等の銘柄分析
DRホートン(D.R.Horton)の決算・業績・財務等の銘柄分析

次は顧客との力関係です。住宅建設業界の顧客は、家を買うエンドユーザーになります。エンドユーザーが家を買うと知れば、上記の企業が挙ってエンドユーザーに猛烈なアプローチを仕掛けるでしょう。一方、エンドユーザーにとってみれば、自分にピッタリの家を提案してくれれば、家がどのブランドかは気にしないでしょう。従って、住宅建設業者の顧客に対する交渉力は非常に弱いと言わざるを得ません。

仕入先との力関係はどうでしょうか。住宅建設には様々な材料が必要ですし、下請け会社の数も多いでしょう。建築材料について、木造建築の場合は木材の金額が一番大きくなりますが、米国で木材の会社は10社以上あるので(参照:THOMAS)、仕入れ先の選択肢は複数ありそうです。従って、住宅建設業者の仕入先に対する交渉力は強いでしょう。

代替サービスの脅威について、新築の代替案は複数思い浮かびますね。先ずは賃貸物件と中古物件です。シェアハウスや寮、社宅、実家から出ないことも代替案になります。新築物件に対する需要は大きいですが、代替案が複数あるので、それらに市場を奪われないか、今後も油断出来ません。

新規参入者について、後からこの業界に入ってくるプレイヤーが多くなるかを考えると、この業界の参入障壁が高ければ少ない、低ければ多くなる傾向になります。一般的に住宅建設の参入障壁は比較的低いと言われています。住宅建設には許可が必要なものの、建築士等の人材を雇えば簡単にクリアできる条件だからでしょう。建設作業自体を下請けに発注すれば、自前で多くの労働力を確保する必要性も無くなります。但し、現時点で既にそれなりの数のプレイヤーが参加していることを踏まえると、住宅建設ブームが来ない限りは、今後爆発的に新規参入が増えることは無いでしょう。

 

メリテイジ・ホームズの強み(商品力)

公式HPの受賞歴にも紹介がありましたが、メリテイジ・ホームズはエネルギーと健康を重視しています。

エネルギーについて、メリテイジ・ホームズはENERGY STARという米政府が作った省エネのシンボルに力を入れています。エネルギー効率を徹底して住宅を設計している為、電力消費量は平均で50%もの削減を実現しています。

健康については、MERV-13エアフィルターを採用しており、空気中のマイクロ粒子を除去することができるので、家の空気も常に清浄に保てます。

上記の通り、メリテイジ・ホームズはエンドユーザーに「良いお家」を提供することを重視している、真のエンドユーザー寄りの住宅建設会社と言えます。

 

メリテイジ・ホームズの株価


(出典:YAHOO!ファイナンス)

上記はメリテイジ・ホームズの株価チャートです。循環株らしく株価が上下を繰り返しており、コロナショック後に急上昇したものの、その後も上下を繰り返して株価が落ち着きません。

チャートだけで判断すると現在はほぼ最高値で割高だと言えます。

 

メリテイジ・ホームズの株価指標(割安度)


(出典:YAHOO!ファイナンス)

上記はメリテイジ・ホームズの各株価指標です。まずPER(株価収益率)を見てみましょう。メリテイジ・ホームズはS&P 500に選ばれていないですが、住宅建設はConsumer Discretionary(一般消費財)に分類されるので、このセクターのPERと比較します。Consumer DiscretionaryのPER=23.47(参照:gurufocus)と比較すると、メリテイジ・ホームズのPERの方がずっと低く、割安だと言えます。

次にPBR(株価純資産倍率)を見ます。Consumer DiscretionaryのPBR=3.56なので、これもメリテイジ・ホームズの方が低くて割安です。DRホートンレナーのブログ記事で説明した通り、住宅建設業界はその業績に反して、株が買われていないことが分かります。

 

メリテイジ・ホームズの配当金(配当)

メリテイジ・ホームズ年次報告書より、今まで配当金を出しておらず、今後も出さない方針です。

どれくらいの資産があるか、キャッシュフローがどうかによりますが、確り業績を上げて企業価値を上げることも、れっきとした株主還元です。配当が無いからと言ってメリテイジ・ホームズは投資価値無しと判断するのは早計です。

 

メリテイジ・ホームズの業績(成長性、収益性)


(出典:メリテイジ・ホームズ年次報告書

上記より、メリテイジ・ホームズ2020年決算は増収増益となりました。

売上は前期比で23%増となっており、住宅ローンの金利低下や、広くて快適な住宅が欲しいというトレンドの恩恵を多大に受けました。

粗利益も前期比で伸びています。木材の仕入れ価格が上がったものの、住宅の価格が上がった他、住宅の売上増加に伴う建築材料等の仕入れ量増加、メリテイジ・ホームズによる建設プロセス効率向上の努力が実り、最終的には粗利益が大きくなっています。

純利益も大幅に伸びています。2019年に多くの優先債(資産担保証券の発行に際してリスクを3分類した中で、最もリスクの低い水準の債券のこと(参照:三井住友DSアセットマネジメント株式会社))を償還した為、2020年は金利支払いが減り、差し引かれて残った純利益が大きくなりました。

さて、メリテイジ・ホームズの収益性を見てみましょう。今期の売上高純利益率=純利益÷売上=9%でした。平均との比較について、メリテイジ・ホームズは「建設業」に含まれ、その業界の利益率平均は5~7%(参照:csi market)なので、メリテイジ・ホームの収益性は高いと言えます。

次にメリテイジ・ホームズの最新業績です。2021年1Qは売上が前期比20%増の10億ドル、純利益はほぼ倍増の1.3億ドルになりました(参照:メリテイジ・ホームズ2021年1Q報告)。最新業績も前期比増で良い傾向です。

 


(出典:Reuters

上記の業績予想より、2021年の売上は前期比6%増の48億ドル、EPS(一株当たり利益)が14.71ドルです。最新業績が堅調だったので、業績予想も達成することが期待できます。

 

メリテイジ・ホームズの賃借対照表(成長性、収益性、安全性)


(出典:メリテイジ・ホームズ年次報告書

メリテイジ・ホームズの賃借対照表を見ると、借方で一番大きいのは不動産(流動資産)です。貸方で一番大きいのは利益余剰金(純資産)、次に優先債(固定負債)です。土地の確保や住宅建設に使っている資金源に、借金が少ないのは良いですね。

資産の増減について、現金(流動資産)と利益余剰金(純資産)が大きく増加しています。今期は純利益が大幅に増加しましたが、その利益には特に手を付けないで現金としてそのまま残ったイメージです。いずれにしても、本業で稼いだ利益がそのまま資産額にプラスされており、企業の成長が明確に分かる、良い傾向です。

尚、純資産のうち普通株式の金額が減っていますが、これは自己株買いによるものです。2019年2月にメリテイジ・ホームズ取締役会が自己株買いプログラムを承認し、2020年11~12月に大規模な自己株買いを行いました。自己株買いを行うと株券の数が減り、一方で企業が生み出す利益の総額は(業績が落ちない限りは)変わらないので、純利益÷株式総数=一株当たり利益(EPS)が向上します。これは私個人の予想ですが、メリテイジ・ホームズは配当を行っていないので、自己株買いで株主還元アピールをしたかったのかもしれません。

次にメリテイジ・ホームズのROA(総資産利益率)をチェックすると、純利益÷総資産=10%でした。業界平均は5~8%(参照:CSI Market)なので、ROAを見てもメリテイジ・ホームズの収益力が高いと言えます。

ROE(自己資本利益率)はどうでしょうか。メリテイジ・ホームズのROE=純利益÷純資産=18%、業界平均は12~16%なので、ROEも平均を超えて高いです。

短期的な資金繰りの安全性を測る流動比率について、流動資産や流動負債の正確な金額が分かりませんでしたが、現金や未収金(流動資産)に対して、買掛金や未払金(流動負債)の方が小さかったので、短期の支払い能力は問題無いと言えるでしょう。

自己資本比率=純資産÷総資産=60%と、理想の50%を上回っており、倒産の心配は皆無です。

 

メリテイジ・ホームズのキャッシュフロー計算書(安全性)


(出典:メリテイジ・ホームズ年次報告書

上記はメリテイジ・ホームズのキャッシュフローです。一つずつ見ていきましょう。

営業キャッシュフローはプラスで、前期比で大幅に増加しています。既述の損益計算書の通り、純利益が前期比で大幅に増加したほか、買掛金や未払い金、法人税の支払い等が増加しています。未だ支払っていないお金の増加分は、営業キャッシュフローにプラスして計算されるので、最終的に純利益よりも営業キャッシュフローが大きくなっています。

投資キャッシュフローは小さなマイナスで、主に土地や工場、設備への投資です。

財務キャッシュフローは小さなマイナスで、既述の通り自己株買いが主です。

キャッシュフローを総合すると、本業で確りキャッシュが入り、投資と財務で少し使うという、完璧な資金繰りです。

 

メリテイジ・ホームズの総評

しーおががの銘柄評価基準に照らし合わせた、メリテイジ・ホームズの総合評価は80点です。

正直、メリテイジ・ホームズにも他社との差別化が見られませんでしたが、需要過多の現状ではそういった競争力は不要でしょう。やや現金を余らせている印象がありますが、決算書の分析結果はパーフェクトの一言です。

メリテイジ・ホームズに投資すべきかどうか、多少株価が上がっても未だ割安なので「買うべき」というのがしーおがが個人の判断です。

尚、住宅建設は景気に最も左右されやすい循環株に属するものです。株価の変動が激しく、一説によると売買タイミングが敏感株やディフェンシブ株とは異なるという理論もある為(参照:SBI証券)、気になる方は投資する前に勉強されることをお勧めします。

以上、メリテイジ・ホームズの決算情報でした。

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