米国株

ネクステラ・エナジー(NextEra Energy)の決算情報


(出典:AZO CLEANTECH)

さてさて、今回も再生可能エネルギー、風力発電関連銘柄を続けて紹介したいと思います。

第三回は、ネクテエラ・エナジー(NYSE: NEE)を紹介したいと思います。

S&P 500、公共インフラ(Utilities)セクターの中でも代表的な銘柄で、米国株に詳しい人にとっては結構有名な銘柄です。S&P 500に選ばれるほどの優良銘柄なので、期待して調べたいと思います。

 

ネクステラ・エナジーの事業内容

ネクステラ・エナジーは公共インフラ会社です。発電設備を有して、電力を販売しています。

ネクステラ・エナジーの歴史は1925年にもさかのぼり、Florida Power & Light Companyという電力会社が始まりです。その後事業をどんどんと拡大し、ニューヨーク証券所にも名を連ねるようになります。風力発電に初めて取り組んだのは1998年で、オレゴンの風力発電ファームが運用開始されました。

ネクステラ・エナジーが有する設備は、東はニューヨーク、西はサンフランシスコ迄、アメリカのほぼ全土に設備を有しています。有している設備の種類は、風力、太陽光、天然ガス、原子力と様々です。

公式HP曰く、再生可能エネルギーでは世界トップの企業であるとのことです。風力、太陽光発電に力を入れている企業であることは間違いありません。

 

ネクステラ・エナジーの競合、業界構造

ネクステラ・エナジーの直接の競合は、米国内の他の電力会社になります。


(出典:statista)

上記はアメリカの各電力会社の規模ですが、ネクステラ・エナジーが堂々の一位です。アメリカでは一番多く設備を持っている会社ということですね。但し、電力会社は地域で決まっていますので、各会社が競って顧客を奪い合うものでは無く、上記の電力会社間での競争は殆ど無いでしょう。

5フォース分析をしてみます。顧客との力関係については、ネクステラ・エナジーの顧客である地方自治体は、ネクステラ・エナジーと30年間のフランチャイズ契約を結びますが、既述の通り地域で電力会社はだいたい決まっているので、地方自治体に対して高い交渉力を発揮できそうです。但し、地方自治体相手に暴利を提示したり、やりすぎたことはできないでしょう。

仕入先との力関係はどうでしょうか。ネクステラ・エナジーにとってメインの仕入先は設備関連になりそうです。既に紹介したGEやゴールドウインドが仕入先になります。

【関連情報】
GE(ゼネラル・エレクトリック)の決算情報(ポイントを絞って分かりやすく解説)
ゴールドウインド(Goldwind、新疆金風科技)の決算情報

ネクステラ・エナジーにとってみれば、GEでもゴールドウインドでも、風力発電機であれば基本的にはどこでも一緒です(勿論、要求仕様にマッチする提案が出来るかどうかという問題はありますが)。これらのメーカー同士を戦わせて価格を下げられるので、仕入先に対する交渉力も強そうです。

代替サービスの脅威について、電気に変わるエネルギー源は今日では無いので、電気が別の何かにとって替わられる可能性は低そうです。自家発電の可能性はありますが、初期費用が嵩むことから、太陽光発電を個人(企業でも)で買ったりするのも簡単ではありません。

新規参入者について、設備投資できるだけのお金と土地があれば風力発電事業に参入出来ます。只、莫大な資金が必要になりますし、その投資額に見合うだけの需要を算出する必要があり、少なくとも中小企業がポッと入れる業界では無さそうです。

 

風力発電の市場規模、社会需要


(出典:GWEC)

上記は世界の風力発電量(GW単位)です。

2001年から風力発電量は増加しており、特に近年は加速度的に増えています。風力発電の電気を全て効率的に利用できているかは不明ですが、社会からのニーズが強い、政府の方針で増やさないといけないことは間違いないです。

 

ネクステラ・エナジーの株価


(出典:YAHOO!ファイナンス)

ネクステラ・エナジーの株価は、ここ5年でずっと上昇傾向です。2021年1月に一度ピークを打って、今は少し下がっていますが、この5年ではほぼ最高値の水準です。

 

ネクステラ・エナジーの株価指標


(出典:Reuters)

ネクステラ・エナジーの各株価指標ですが、まずPER(株価収益率)を見てみましょう。gurufocusによると、S&P 500 utilitiesセクターの平均のPERは34.73で、ネクステラ・エナジーのPERはこれより高いです。

次にPBR(純資産倍率)ですが、平均は2.40で、これと比較してもネクステラ・エナジーは割高の水準です。

上記より、ネクステラ・エナジーは超割高な水準だと言えるでしょう。

 

ネクステラ・エナジーの配当金


(出典:macrotrends

ネクステラ・エナジーは配当を行っており、長年増配を続けており、2021年5月の配当金は0.385ドル(年間1.55ドル)、利回りは2.08%です。

配当金を出す、増配するだけの余裕はあると言えます。

 

ネクステラ・エナジーの業績(損益計算書)、業績予想


(出典:ネクステラ・エナジーの年次報告書

2020年は減収減益となりました。FPL(フロリダの電力会社)の売上は上がりましたが、NEER(再生可能エネルギー)の売上の減少が大きく、全体として減収となりました。NEERでの売上減少は、Duane Arnorld 原子力発電所の閉鎖等による、既存設備での減収によるものです。

売上高純利益率について、ネクステラ・エナジーは13.1%です。CSI Marketによると電力会社の平均は7~9%なので、ネクステラ・エナジーは平均より高いということになります。

最新の業績について、2021年1Q四半期報告によると、調整後EPS(一株当たり利益)は前期比13%増の0.67ドルでした。


(出典:ネクステラ・エナジー2021年1Q四半期報告

上記より、2021年の業績予想はEPSが2.40~2.54ドルの予想となっており、今後も収益の成長を宣言しています。

 

ネクステラ・エナジーの財務状況、資産効率


(出典:ネクステラ・エナジーの年次報告書

ネクステラ・エナジーの資産状況について、先ず中身を見ていきます。固定資産が大きくて目立ちますが、その中でも一番大きいのは土地、工場及び機器です。発電設備を持ってナンボの電力会社なので、これは当然ですね。

次に大きいのが固定負債ですが、この中でも一番大きいのが長期借入金ですね。このことから、全部では無いですが、長期借入金によって設備を購入していることがわかります。

では前期比での資産増減を見ましょう。減収減益にも関わらず、前期比で資産額が大きくなっています。負債(特に固定負債)が増えているので、単純に企業が成長したというよりは、今期は借入が増えて資産額が大きくなったと見るべきでしょう。今後、収益が増えて、確り純資産も増えていくことを期待したいですね。

次にROA(総資産利益率)をチェックすると、損益計算書と賃借対照表より、ROA=純利益÷総資産=1.8%です。CSI Marketによると業界平均は1~2%なので、ネクステラ・エナジーの収益性は平均的と言えます。

因みに、ROE(自己資本利益率)は5.2%で、業界平均は6~8%なので、ROEを見ると収益性は少し低い水準となります。

流動資産÷流動負債=流動比率は47%で、100%を下回っており、短期の支払い能力は少し不安です。

自己資本比率は35%と、下限の30%は上回っているので一先ず倒産の心配は無いです。

 

ネクステラ・エナジーの資金繰り(キャッシュフロー計算書)


(出典:ネクステラ・エナジーの年次報告書

ネクステラ・エナジーのキャッシュフローは、営業キャッシュフローがプラス、投資キャッシュフローが大きなマイナス、財務キャッシュフローがプラスです。

それぞれ中身を見ていきましょう。営業キャッシュフローで一番大きいのは減価償却費で、損益計算書に記載の純利益よりも、実際にはキャッシュが入ってきていますが、それでも前期と比較すると本業でのキャッシュは少なくなっています。

投資キャッシュフローについては、NEERに関連する投資(恐らく土地取得や設備投資です)や、FPLの資本的支出が主です。一時的な修繕費なら良いのですが、資本的支出は継続的に出るものなので、これがあまり大きいと今後が心配です。

財務キャッシュフローは長期借入金が主です。

各キャッシュフローを総合すると、投資が大きすぎて、本業で稼いだキャッシュの他に借入でキャッシュを補っています。直ちに悪くなるというわけではありませんが、少し無理があるキャッシュフローです。

 

ネクステラ・エナジーの総評

私個人の銘柄評価基準に照らし合わせた、ネクステラ・エナジーの総合評価は70点です。

今回初めて電力会社の分析をしましたが、傍から見ると非常にオイシイ業界ですね。再生可能エネルギーの社会需要が強いことも良いです。只、特に潰れないかどうかの安全性がイマイチだったのは意外でした。株価も高いですね。

ネクステラ・エナジーに投資すべきかどうかは、株価が高いので今は「買わない」というのが私個人の判断です。

以上、ネクステラ・エナジーの決算情報でした。

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