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サイプレイでテンバガーを目指せ!?SCPLの銘柄分析


(出典:facebook

さて、前回に引き続き今回もゲーム関連銘柄を紹介したいと思います。

今回紹介する銘柄はサイプレイ(Nasdaq: SCPL)です。

恐らくあまり知られていない企業ですが、先日紹介したダブルダウン・インタラクティブの最大のライバルで、ソーシャルカジノゲームで有名です。なかなか興味深い企業だったので、当ブログでも紹介したいと思います。

ではさっそくいってみましょう!

 

サイプレイの企業概要、事業内容

サイプレイはサイエンス・ゲームズの子会社で、元々はサイエンス・ゲームズのソーシャルゲーム部門でしたが、2019年に独立してNASDAQに上場しています。


(出典:Casino.org

ゲームのラインナップは上記で、アプリで一番人気があるのは「ジャックポット・カジノ」です。取り扱っているゲームの大部分はカジノ(スロット)ですが、一部ボードゲームやトランプゲームも取り扱っています。

 

ゲーム業界の外部環境(外部環境)

サイプレイに関する深い分析の前に、ゲーム業界を取り巻く外部環境をざっくり分析します。

いくらサイプレイが優秀な企業でも、ゲーム業界が厳しい外部環境に曝されていると、今後の成長が難しくなってしまうからです。

政治:特になし
経済:コロナで打撃があったものの、個人消費はコロナ前の水準に戻った
社会:コロナにより家で過ごす、ゲームをするのが当たり前に
技術:クラウドゲーミング、顔認証、音声認証、ジェスチャー制御等

上記を纏めると、コロナが収束しつつあるなかで以前よりは過熱感は無くなったものの、依然としてゲームの人気は強く、ゲーム業界にとってコロナは追い風となった上に、ゲームが生活に根付いた為、コロナが終わってもそこまで外部環境は厳しくならないと考えられます。

 

ゲームの需要(市場)


(出典:gamesindustry.biz)

上記は世界のゲーム市場規模です。

2012年から加速度的に成長しており、今後もその勢いは止まらず、年14.5%で成長していくと予想されています。

インフレ率を考慮すると上記の成長率はかなり高めです。

しかし、市場成長率が「今までゲームに課金しなかった=>課金するようになった」と考えると、スマホでゲームをする、今まで課金したことが無い10人のうち、1人が課金すれば上記成長率は達成できるので、他の業界のように常に新規顧客を探さなければいけないことと比較すると、ゲーム業界の成長はそこまでハードルが高くないのかもしれません。

 

ゲーム業界の構造(業界構造)

ゲーム業界について5フォース分析をしてみましょう。

先ず直接の競合ですが、ビデオゲーム会社はアメリカだけでも2,457社あるそうです(参照:GamesBeat)、凄まじい数ですね。

顧客との力関係ですが、何千(何万?)とゲームタイトルがあるので、消費者は選び放題ですし、中毒にならない限り、「不満はいっぱいあるけど、このゲームしか選べない~」ということは無さそうです。

仕入先との力関係ですが、ゲームを作るのに仕入れは特に必要ないですね。ゲーム作製用のゲームエンジンや、ソフトウェアだけです。

代替品の脅威ですが、SNSや映画等の動画配信、ブログ等、スマホの暇つぶしは他にも色々あります。

新規参入について、サイプレイが誕生したのは2019年とつい数年前です。ソフトウェアエンジニアと想像力さえあればゲームを作れるので、新規参入は多そうですね。

上記を纏めると、ゲーム業界は非常に競争が激しいと言えます。ゲームタイトルがあまりにも多すぎるので、如何に差別化して顧客を確保し、課金プレイヤーを増やしていくかが重要で、ヒットするゲームを作れるセンスが問われる業界です。

 

競合の強さと市場シェア(シェア)


(出典:statista

上記はソーシャルカジノゲームの各社マーケットシェアです。

1番手はPlaytika、2番手にAristocrat、3番手にサイエンス・ゲームズ(サイプレイ)です。

上記の通り、何れか1社が市場を独占している訳では無く、市場は各社がしのぎを削って混戦状態だと言えます。

サイプレイが全くの劣勢という訳では無いですが、ソーシャルカジノゲームというマイナーな市場に5社以上が参戦しているので、やはり競争は激しいですし、サイプレイは優位なポジションではありません。

 

経営資源の強さ(経営資源)


(出典:duns 100

サイプレイの経営資源が優れているのか、ざっくり分析してみましょう。

人的資本:602人の従業員をフル動員して効率性を追求
物的資本:「ジャックポット・パーティー」を始めとした人気のゲームを複数保有
財務資本:現金を多く保有し、万が一の出費にも柔軟に対応
組織資本:サイエンス・ゲームズの子会社として、会社の経営方針が親会社に依存

サイプレイから受ける印象は、サイエンス・ゲームズの影響が強いということです。サイエンス・ゲームズから独立していますが、81%の株はサイエンス・ゲームズが保有していたり、経営資源が親会社に帰属しているものが多いです。

 

適切な経営戦略(経営戦略)

サイプレイの競争戦略が上手くマッチして市場シェアの獲得に繋がっているかを分析してみましょう。

サイプレイも集中戦略と言えるでしょう。ダブルダウン・インタラクティブと同様、カジノゲームに注力しています。


(出典:Google Play

一例として「ジャックポット・パーティー・カジノ」について説明すると、ラスベガスの本格的なスロットが楽しめるゲームで、毎日のトーナメントで他のプレイヤーと競ったり、バーチャルギフトを交換できます。110以上のスロットマシーンがあるので、自分のお気に入りのゲームを探せます。

カジノゲームの競争も激しいですが、そのなかでサイプレイは人気上位にランクインしており、経営資源を集中させることで高い競争力を維持しています。今後もシェアを拡大していく可能性は十分にあるでしょう。

 

サイプレイの決算内容

サイプレイの決算内容(2020年年次報告書)を一言で表すと「コロナの巣籠り需要で運動量(売上)増加、今期も最高成績を記録(純利益増加)!血液を生み出す力(営業キャッシュフロー)が非常に強く、あまり余った血液で体(総資産)が巨大化という感じです。

IPOより前の2018年から事業は順調で、トントン拍子で収益が増えています。

営業キャッシュフローが非常に強く、その割には投資、財務で殆どキャッシュを使っていないので、キャッシュ残高がどーんと大きくなっています。

財務体質も文句無しで、利益を蓄積して純資産が大きく増えています。

 

サイプレイの利幅は大きいか?(収益性)

サイプレイの収益性をチェックしていきましょう。

先ずは資本金に対してどれくらい効率的に収益を上げているかを示す、ROE(自己資本利益率)という指標を見ます。

サイプレイの直近(2021年3Q)のROEは4.43%です(参照:macrotrends)。

ここ数年では減少傾向ですが、着々と純資産を増やしていってるからで、それ自体は悪いことではありません。

サイプレイのROEをゲーム業界と比較すると、平均が14~19%なので(参照:csi market)、サイプレイのROEはかなり低い方です。

次に、ROEと似ていますがより忠実にお金を儲ける力を表す指数、ROA(総資産利益率)を見てみます。

サイプレイの直近のROA=3.41%です。

ROAもここ数年では低下傾向です。サイプレイの場合は直近で総資産が大きくなっているので仕方が無いですが、目安の5%を下回っているので、もう少し頑張って欲しいところです。

ゲーム業界と比較すると、平均が3~4%なので、サイプレイのROAは平均的と言えます。


(出典:macrotrends

最後に利益がどれくらい高いのかが分かる指標、売上高営業利益率を見ます。

上記の通り利益率は上場した直後の2019年に大きく改善して、現在は25.71%です。

利益率の改善は原価がさほど増加しなかった為です。サイプレイは、ゲームの一部で親会社であるサイエンス・ゲームズのライセンスを使っていますが、契約(ロイヤルティ)を見直した効果が大きかったそうです。


(出典:marketscreener

今後の利益率について見てみましょう。上記は今後の売上、営業利益、純利益の予想です。

2021年、2022年は大幅には売上高営業利益率が改善しないものの、2023年に若干の改善が予想されています。恐らく、2020年同様、ライセンス契約等の見直しによるものでしょう。

ライセンス契約の金額見直しの最大のチャンスは契約更新時です、そう何度もある話しではありません。

一方、交渉余地はあると思います。ライセンスを供給する側としては、多少金額が下がっても同じ顧客に長く使って貰いたいものです。他のライセンスを使用して契約金額を増やす代わりに割引をお願いすることもできます。サイプレイがある程度交渉力があると考えても、あながち間違いでは無いでしょう。

さて、話しは戻ってサイプレイの利益率が高いかをチェックします。ゲーム会社の利益率は平均が11.87%です(参照:csi market)。それと比較すると、サイプレイの利益率は非常に高いですね。

上記を纏めると、サイプレイの現在の収益性は非常に高く、今後も少し利益率が改善すると期待できます。但しROAが下がっている点は要注意です。

 

サイプレイは効率的にお金を回しているか?(効率性)

サイプレイがお金を効率的に回しているかを調べてみましょう。

効率性は総資産回転率という指標で見ます。

財務諸表より、2019年の総資産回転率は1.21、2020年は1.02でした。

総資産回転率が低下していますが、総資産が大きくなった影響です。売上が下がっているとマズいですが、サイプレイは売上が上がっているので問題ありません。

業界平均と比較しますと、ゲーム業界の総資産回転率は0.17~0.23です(参考:csi market)。サイプレイの効率性は低下傾向ですが、業界平均と比較して異常なまでに高いことが分かります。

上記より、サイプレイの効率性は平均より上です。

 

サイプレイは今後大きくなるか?(成長性)

ではサイプレイの成長性を評価していきましょう。


(出典:macrotrends

先ず今までの成長率を見て見ましょう。上記の通り(上が売上、下がEPS)、売上もEPSも増加傾向で、直近では一定レベルで推移しています。

今後の推移については、先ほどの予想のグラフを参照下さい。2021~2022年は売上高が4.4%上昇する予想になっています。

2020年に売上高が伸びたのはコロナによる影響でした。それを考慮すると、2021~2022年はそこまで高い成長はできないでしょう。

一方、上記成長率はゲーム市場の成長に比べるとかなり低いレベルです。コロナ禍では景気悪化、消費者の消費も冷え込みましたが、現在はコロナ前の水準迄戻ってきており、ゲームに課金できるほどは財布に余裕がありそうです。

次にサイプレイの成長率を競合と比較すると、Playtikaの2022年売上高成長率予想が11.20%、ダブルダウン・インタラクティブが7.3%、Zyngaが11.00%、アリストクラトが27.80%(参照:yahoo!finance)なので、単純比較すればサイプレイの成長率は低いです。

上記を纏めると、サイプレイは今後も4%程度の成長を続ける可能性があるものの、成長スピードは競合より小さいと言えます。

 

サイプレイは倒産しないか?(安全性)

サイプレイが倒産する心配の無い会社か、安全性をチェックします。

短期的な資金繰りの安全性を示す流動比率という指標は、2020年が6.03でした。基準となる1.00を上回っており、問題無いです。

資本金が占める割合を示す自己資本比率を見ると、2019年は72%、2020年は76%と、目安である30%を大幅に上回っており良い状態です。

キャッシュフローについては既述の通り、2020年は営業キャッシュフローが大きなプラス、投資キャッシュフローが小さなマイナス、財務キャッシュフローも小さなマイナスです。フリーキャッシュフロー(営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足したもの)が非常に大きく、確り現金を生み出している超優良企業だと分かります。

上記を纏めると、サイプレイの安全性は非常に高いです。

 

サイプレイは割安か?(割安度)

サイプレイが割安かどうかを判断する為に、企業価値について相対評価、絶対評価(バリュエーション)を行ってみましょう。

 

サイプレイの相対価値評価

先ずはさくっと簡単に割安度が評価できる、相対評価を行っていきます。

 

株価チャート

既述の通り、サイプレイは収益性良し、成長性悪しだったので、株価(パフォーマンス)はまあまあな気がしますが、実際にはどうでしょうか?


(出典:yahoo!finance

上記はサイプレイ(赤線)と競合4社、S&P 500の株価チャート(2年間)です。

サイプレイの2年間のリターンは2%と、予想通り冴えない内容でした。

他の銘柄とサイプレイはあまり魅力が無いと投資家が判断しています。

 

PER(株価収益率)

株価の高低では投資家からの人気度しか分かりません。サイプレイが投資家から人気が無いのも納得できるほど、サイプレイに価値が無いのかどうか、各評価尺度を使って評価してみましょう。


(参照:yahoo!finance

上記はサイプレイと競合4社のPERです。

PERを見れば、純利益に対してどれくらい株価が大きいのかが分かります。同じ業態の企業と比較して、PERが高ければ割高、低ければ割安です。

上記の通り、他社と比較するとサイプレイのPER=13.14倍は少し低い方だと思います。

 

配当利回り

サイプレイは無配当なので、配当利回りは評価不可(他社よりは低い)です。

 

PBR(株価純資産倍率)


(参照:yahoo!finance

上記はサイプレイと競合4社のPBRです。

PBRは資本金に対して株価がどれくらい高いのかを示します。本来は時価総額=資本金になるので、PBR=1倍ですが、その企業の株券がそれ以上の価値があると投資家が判断すれば、PBRが1倍以上に大きくなります。

上記を見る限り、サイプレイのPBRは平均くらいでしょうか。

 

EV/EBITDA倍率


(参照:yahoo!finance

最後にEV/EBITDAを見てみましょう。

この評価尺度は、企業価値(EV)に対して、利息・税金・減価償却支払い前利益(EBITDA)がどれくらい大きいかを示す指標です。キャッシュフローがどれくらい大きいかを測ることが出来ます。数値が小さければ割安、数値が大きければ割高です。

上記の通り、サイプレイのEV/EBITDAが一番低いです。ソーシャルゲームカジノゲームのEV/EBITDAはだいたい20くらいが平均でしょう。それと比較すると、サイプレイのEV/EBITDAは異常なまでに低いです。

 

サイプレイの絶対価値評価

サイプレイの絶対価値、つまり理論株価を超ざっくり計算してみましょう。

先に結論を述べると、理論株価は311.27ドル、2022年1月14日現在の株価は12.40ドルと理論株価よりずっと低く、割安の状態です。

さて、理論株価の計算方法ですがDCF(ディスカウントキャッシュフロー)法を用いて計算しました。 本来は過去の財務諸表から、将来の財務諸表を厳密に計算しますが、ここでは

・今後10年分のフリーキャッシュフローは、過去5年分(参照:reuters)から予想
・リスクフリーレート(リスク0の投資先の利回り)は米国10年国債の利回り(参照:marketwatch
・ベータ(個別の株価変動リスク)はサイプレイの過去の株価とS&P 500から算出(参照:yahoofinance
・マーケットリスクプライム(投資家が株式に期待するリターン)はS&P 500(米国大企業500社)の過去10年のリターンの平均値(参照:macrotrends
・有利子負債資本コスト(企業が借りている借金の金利)やD/Eレシオ(負債と資本金の比率)は最新の決算書を参照
・永久成長率は米国の物価上昇率の過去データを参照(参照:trading economics
・必要手許現預金は月商3か月分
・保有しているその他流動資産、その他固定資産等は余剰投資資産と想定

という前提でざっくり計算しました。 計算結果詳細は下記です。

 

結局サイプレイは割安か、今後株価は上がるのか?

先ずは上記の分析結果を纏めてみましょう。

相対評価、絶対評価を見れば、サイプレイの企業価値はかなり高いことが分かります。

PBRが高いのが気になる方がいるかもしれませんが、今日は純資産を積み上げて大きくすることと、ビジネスでお金を儲ける力は直結しないので、PBRは1以上ならOKと考えて問題無いと思います。

とはいえ、EV/EBITDAと理論株価があまりにも大き過ぎます。計算結果と現実のレベルがかけ離れているように見えます(原因は現金の多さ、有利子負債の少なさ、株主資本コストの低さですが、計算内容に関する議論になってしまうので説明を割愛します)。

只、キャッシュを生み出す力が非常に強いのは事実なので、DCF法の計算は間違っていないと思います。他の業界と違って、既存のユーザーから課金があるだけで一定の利益、キャッシュフローが将来に渡って確保できるのは、スマホゲームの最大の魅力です。

では、割安で放置されているのは何故でしょうか?

成長凄まじいゲーム業界において、サイプレイの成長率がイマイチなのは、株価が低迷している原因だと考えられます。サイプレイはアメリカでの収益が圧倒的に大きいですが、海外があまり伸びていません。ゲームソフトのデベロッパーと違って、新しいゲームのリリースも少ないですね。

利益率が大きく改善しないのも、投資家から人気が無い要因でしょう。確かに、徐々にでも確実に収益性が改善しているゲーム企業がある中で、サイプレイの収益性改善は遅々としています。

上記より、サイプレイの株価は200~300%の上昇余地があるものの、株価の上昇はかなり遅い(2~3年)と予想します。

 

サイプレイの総評

以下は純粋に株式投資判断の為だけに私個人が独断で行った銘柄評価であり、特定の企業や従業員、株主を応援したり、逆に攻撃する意図もありません。下記に対して非難や誹謗中傷、嫌がらせは止めて下さい。

さて、しーおががの銘柄評価基準に照らし合わせた総合評価は上記の通りで、投資判断は「買い」です。

競争が激しいゲーム業界において、高い人気を維持して確り収益を得ているのが好印象です。割安度もかなり高いですが、スピンアウトさせたサイエンス・ゲームズがサイプレイを買い戻そうとしたり(買収の話しは流れました)、親会社であるサイエンス・ゲームズの影響力が気持ち悪いと感じています(ので、個人的には投資したくないです)。投資するのであれば、株価が上昇するストーリーを建てる必要がありますね。

以上、「サイプレイでテンバガーを目指せ!?SCPLの銘柄分析」でした。

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