米国株

人気と実力を兼ね揃えた発電業界のスター!サザン・カンパニーの銘柄分析


(出典:Seeking Alpha

先日、公益セクターのおススメ銘柄の中で、サザン・カンパニー(NYSE: SO)を紹介させて頂きました。  

高配当で確実に儲けられる!?公益セクター(米国株)のおススメ銘柄3選

今回はサザン・カンパニーが投資に値するかどうか、詳しく調べさせて頂きましたので、その結果を皆さんにも共有したいと思います。「知らない企業だけど投資しても良いか知りたい!」という方は是非下記を参考にして下さい。

ではさっそくいってみましょう!

 

サザン・カンパニーの企業概要、事業内容(単純事業)

サザン・カンパニーは本社があるジョージア州、その隣のアラバマ州(アメリカ南東部)を中心に電力を供給している電力会社です。

1924年から事業を開始しており、戦前からの歴史がある企業です。


(出典:Southern Company

サザン・カンパニーの発電設備の内訳は上記の通りで、ガスが大半、残りは木炭、原子力、再生可能エネルギー等です。天然ガスは木炭や石油よりは温暖化効果が低いと言われており、脱炭素への変革に向けて補助的なエネルギー源として期待されています。只、再生可能エネルギーと違って二酸化炭素排出が0では無いので、今後どうなるかは分からない、政府が「天然ガスは駄目」と言い始めるリスクがあるエネルギー源ではあります。

行っている事業は電力の販売、送電線、発電所の運用です。あと、一部天然ガスの供給も行っています。事業のメインは電力に関するものだけで、投資家にとって事業複雑化、多角化によるリスクが少ない銘柄だと言えます。  

 

電力の市場規模(社会需要)


(出典:statista)

上記はアメリカの電力売上の推移です。世帯数が増えており、電気代も年々上がっているのですが、電力消費量があまり増えておらず、結果として2010年から売上は殆ど増えていません。 需要は無くなりませんが、今後爆発的に増えることも無さそうです。

 

電力の業界構造(競争要因)

電力業界について5フォース分析をしてみましょう。


(出典:Georgia Power

先ず直接の競合は他の電力会社です。しかし、例えばジョージアではサザン・カンパニーの子会社、ジョージア・パワー以外に大きな電力会社は無いようで、競争は無さそうです。

次は顧客との力関係ですが、電気料金は規制当局によって決められるので、電力会社が電気代を決めることはできませんが、一方で顧客である地方自治体、事業所が価格を決めることもできません。規制当局はやや消費者寄りで電気料金を決める傾向があるので、顧客との力関係はやや弱いでしょう。

仕入先との力関係は、例えばサザン・カンパニーの場合は天然ガスがメインの発電なので、天然ガスが仕入先になります。天然ガスに限らず、エネルギー燃料は市場価格で決まるので、仕入先に対する力はほぼ0だと言えましょう。

新規参入者について、風力や太陽光等の再生可能エネルギー以外、今から発電事業を始めて顧客を開拓できる可能性は極めて0に近く、再生可能エネルギーに参入しても送電線網をどうするかという問題があり、電力事業者の新規参入は少ないでしょう。

代替案について、自家発電は考えられますが、全ての電気を自社や自宅でまかなえる例は極めて稀だと思います。今のところ、完全な代替案は無さそうです。

上記を纏めると、電力会社の競争は激しくないと言えるでしょう。業界内の競争がうんぬんと言うよりは、電気代を規制当局に決められてしまうので、如何に低コストで発電して収益を上げるか、自らとの戦いが重要な業界だと思います。  

 

サザン・カンパニーは顧客を独占しているか(独占力)

結論から先に述べます、サザン・カンパニーは完全に顧客を独占しています。

但しそれはサザン・カンパニーのサービスが他社に代え難いというわけでは無く、他に選択肢が無いからです。

バフェット氏の言葉を借りると、電力は完全に「コモディティ業界」、つまりどの会社のサービスでも全く違いが無い業界の代表例です。「あの電力会社の電気は〇〇が良いから、他社に替えることはできない」ということはありませんよね?

従って、他の電力会社を差し置いて、サザン・カンパニーだけが大きな成功を納め、株価が大成長するということはあり得ないです。公益セクターで大きな値上がり益が狙えないという理由の一つですね。

 

サザン・カンパニーに似た事業を他社が始めるか(参入障壁)

一般論として発電事業は、土地や発電設備、燃料調達の為の資金、従業員の確保、事業の許可が必要なので、ITや通販、広告や不動産に比べて参入障壁が高いです

他方、サザン・カンパニーが行う発電事業に独自性は強くありません。天然ガス発電自体は珍しいものでも無く、他の発電事業者も行っています。競合に発電に関するノウハウを共有したところで、競合が脅威になることは無い(何故なら他の発電事業者がサザン・カンパニーのエリアである南東部に攻めてくることはまずありえないから)ので、寧ろ競合他社にサザン・カンパニーがレクチャーしているかもしれません。

 

サザン・カンパニーの株価と業績に不一致があるか(株価)


(出典:Macrotrends

上記のグラフは、一番上から株価、EPS(一株当たり利益。これを業績と考えて頂いて問題無いです)、PER(株価収益率。これが高ければ割高、低ければ割安と分かる指標)の順に並んでいます。

コロナショックの後も株価は回復して、現在も上昇傾向です。こうなると将来的に大きく下落しないかが心配になります。

2019年ぐらいからPERが上がってきており、つまり業績の伸びに対して株価の伸びの方が早いことを示しています。今は大丈夫かもしれませんが、今後もどんどん株価が急速に伸びていく、PERが増加していくようであれば、下落リスクは警戒した方が良さそうです。

 

サザン・カンパニーは割安か(割安度)


(参照:Yahoo!ファイナンス

上記はサザン・カンパニーの各株価指標ですが、割安度を示す指標であるPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)がセクター平均より少し高めで、少し割高という判断になります(参照:gurufocus)。

公益セクターの他の銘柄より、サザン・カンパニーの今の株価は少し過熱気味、将来落ちる可能性が無いか少し気にした方が良さそうです。 

 

サザン・カンパニーは配当を出しているか(配当)


(参照:macrotrends

サザン・カンパニーの配当は上記の通りです。2005年からずーっと増配を続けています。

配当利回りは4%で、通常の株の値上がり益平均とほぼ同じくらいで、非常に魅力的ですね。

 

サザン・カンパニーの決算内容

サザン・カンパニーの決算内容(2021年第2四半期)を一言で表すと、「電力需要が増えて運動量(売上)増となるものの、動きに無駄(営業経費増加)があり運動成績(純利益)は前期より悪化、筋トレのし過ぎ(投資)で出血、血液量(現金残高)が減って少し顔色が悪くなるという感じです。 

 

ポイント1


(出典:2021年2Q決算書

先ず注目すべきは損益計算書(Consolidated statements of income)の営業利益(Operating Income)です。今期は電気料金が上がった他、電力消費量も増加したので売上(Operating Revenues)が増えているものの、なんと営業利益は前期比で下がってしまっています。これは営業経費(Operating Expenses)、特に天然ガスを中心とした燃料費(Fuel)と運営・維持費(Other operations and maintenance)の増加によります。燃料費は天然ガスの高騰、維持費は計画停電に関わるもので、一時的なものであると見受けられ、今後コストがずっと増加傾向になるというわけでは無さそうです。

利益が減ってしまったのは悪く見えますが、今期に限った話しだと思います。

 

ポイント2


(出典:2021年2Q決算書

賃借対照表(Consolidated balances sheets)で特筆すべき点は特にないです。期首比で、資産総額(Total Liabilities and Stakeholders' Equity)は殆ど変化していません。資本金(Total Stakeholders' Equity)に対して負債総額(Total Liabilities)が多いのが気になりますが、また後述したいと思います。

 

ポイント3


(出典:2021年2Q決算書

キャッシュフロー計算書は投資キャッシュフロー(Net cash used for investing activities)に注目です。固定資産(Property addition)、恐らく土地だと思いますが、これに大きく投資しています。営業キャッシュフロー(Net cash provided from operating activities)を超えてしまっているので、少し無理をしている資金繰りです。

 

サザン・カンパニーは今後大きくなるか?(成長性)

サザン・カンパニーの成長性を評価していきましょう。

既述の通り、今期の利益は少し落ちていて成長にブレーキが掛かっています。


(出典:reuters

上記はサザン・カンパニーの業績予想ですが、2021年度は僅かに増収増益の予想です。1Q、2Qの業績よりは、このままなら業績予想も達成できそうです。

上記を纏めると、今期の結果はまずまずでしたが、超スローペースでも確実に少しずつ成長していると言えるでしょう。  

 

サザン・カンパニーは儲かっているか?(収益性)

サザン・カンパニーの収益性をチェックしていきましょう。

利益がどれくらい高いのかが分かる指標、売上高純利益率を計算すると7%でした。これは業界平均より少し低いです(参照:csi market)。

資産をどれくらい効率的に使えたかという指標、ROA(総資産利益率)=2%で、これは平均レベルです(参照:csi market)。

ROAと似た指標の、ROE(自己資本利益率)=9%で、これは業界平均より少し上です。

上記より、サザン・カンパニーの収益性はだいたい業界平均レベルです。

 

サザン・カンパニーは倒産しないか?(安全性)

最後にサザン・カンパニーの安全性をチェックしましょう。

短期的な資金繰りの安全性を示す流動比率=流動資産÷流動負債=81%で、100%を下回っています。賃借対照表をみたところ、流動負債で大きいのは証券で、買掛金が占める割合はそこまで高くないので、流動比率が低いからといって、即資金繰りが滞るというわけでは無さそうです。

自己資本比率=純資産÷資産総額=26%と、下限の30%を下回っています。発電事業はその信用背景により銀行から借り入れがしやすいのでしょうか、自己資本比率が低くなる傾向だそうです。

キャッシュフロー計算書から見る安全性ですが、既述の通り営業キャッシュフローを投資キャッシュフローが上回っており、足りない分を財務キャッシュフローでカバーしているものの、現金残高は減っています。最悪では無いですが、健全な資金繰りでは無いです。

他の発電業者との比較をしないと一概には言えませんが、サザン・カンパニーの安全性は少し低いです。

 

サザン・カンパニーの総評

以下は私個人が行った銘柄評価で、特定の企業や従業員、株主を攻撃する目的はありません。又、各銘柄について絶対的に正しい評価を議論するものでも無い為、私個人の銘柄評価に対する非難や誹謗中傷、嫌がらせはお止め下さい。

 さて、しーおががの銘柄評価基準に照らし合わせた、サザン・カンパニーの総合評価は78点です。

成長性、収益性、財務体質は平均点になります。あくまで配当狙いなので、業績がガタ落ちしなければ問題無いですが、どうもキャッシュフローに余裕が無いように見え、将来的に継続して配当金を確保できるかが分からないと感じます。天然ガス発電頼り、将来的なエネルギー転換も悩みの種です。

株価も上がっているし業績も上向きなサザン・カンパニーですが、上記の通り懸念点もあるので、「要検討」というのが私個人の判断です。

以上、「人気と実力を兼ね揃えた発電業界のスター!サザン・カンパニーの銘柄分析」でした。

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高配当で確実に儲けられる!?公益セクター(米国株)のおススメ銘柄3選

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