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実は高収益で超優秀な投資対象!?ユニオン・パシフィックの銘柄分析


(出典:Union Pacific

先日のフェデックスの記事から続けて、運送業界の銘柄を調べています。

株価下落で今がフェデックスの株を買うチャンス!?FDXの銘柄分析

今回はユニオン・パシフィック鉄道(NYSE: UNP)を分析をしたいと思います。恐らく知らない方が多いと思いますが、アメリカの貨物鉄道の会社です。S&P 500(アメリカの大型株トップ500社)に選ばれているほどの優良企業なので、投資の検討価値があるでしょう、是非参考にしてください!

ではさっそくいってみましょう!  

 

ユニオン・パシフィックの企業概要、事業内容(単純事業)


(出典:Union Pacific

ユニオン・パシフィックは貨物鉄道の会社で、1862年に創業した歴史ある企業です。


(出典:ユニオン・パシフィック

ユニオン・パシフィックの鉄道網は上記の通りアメリカ西部23州を繋いでおり、サプライチェーンの役目を果たしています。

日本と違ってアメリカは国土が広いので、物資を大量に安く遠くへ運ぶ方法として貨物鉄道が力を発揮することが多いです。貨物鉄道が活きるアメリカの代表的な企業であるユニオン・パシフィックは、その規模は世界トップレベルを誇ります。


(出典:Union Pacific

貨物鉄道はその特性上、運搬するのは単価が安く腐りにくいけど体積が大きいものや、単価が高くても重量や体積が大きくて頑丈なものです。ユニオン・パシフィックで運んでいるものは大別すると3つで、上記画像のような①穀物、②プラスチック等の化学材料や工業材料、③自動車部品等の高単価な貨物です。

ユナイテッド・パシフィックは貨物鉄道の会社で、他の事業は行っていません。投資家にとって事業複雑化、多角化によるリスクが少ない銘柄だと言えます。

 

貨物鉄道の需要(社会需要)

 
(出典:Mordor Intelligence

上記は貨物鉄道の市場規模です。コロナの影響を受けた2020年以外は、2015年から市場規模は増加傾向です。穀物等、各業界の市場規模の拡大に沿うかたちで、貨物鉄道の需要も増加してきたんでしょう。

eコマースによる需要拡大は貨物鉄道には追い風になりそうです。というのも、フェデックスやUPSの分析で説明した通り、トラック輸送は需要に供給が追い付かずパンパンの状況です。今後、トラック輸送の必然性が低い貨物は鉄道輸送に切り替わる可能性が高く、貨物鉄道市場はこれからも伸びる可能性がありそうです。

 

貨物鉄道の業界構造(競争要因)

貨物鉄道業界について5フォース分析をしてみましょう。


(出典:statista

先ず直接の競合は他の貨物鉄道会社です。上記はアメリカの貨物鉄道会社7社で、ユニオン・パシフィックは第2位に位置しています。業界トップのBNSFとは並行して同じ輸送ルートがあり、ガチンコの競争をしていますが、何十社、何百社という競合と争う他の業界よりはマシな状況でしょう。

顧客との力関係ですが、顧客にとってみればどの鉄道会社が貨物を運んでも一緒なので、送料だけを比較して鉄道会社を選ぶので、明らかにBNSFよりもユニオン・パシフィックの方が金額が高ければ、BNSFに顧客が流れてしまいます。

仕入先との力関係ですが、ユニオン・パシフィックは鉄道や機関車、貨物車等を所有しているほか、燃料等を保有しています。購買量が多いので、メーカーにとって見れば魅力的な顧客で、特注品で無い限りはメーカーに対して強い影響力がありそうです。

代替サービスの脅威ですが、貨物鉄道が常に比較されるのはトラック輸送と航空機輸送です。料金が高くなってしまいますが、これらの輸送手段に替えるのは非常に簡単です。但し、既述の通り貨物鉄道はその大容量と安さが武器で、アメリカのように国土が広い国では今後も貨物鉄道が活躍を続けるでしょう。

新規参入者について、貨物鉄道路線が新しく建設される以外は、新規参入が出てくることは先ずありません。最近新しく生まれた貨物鉄道会社でいえばインドのDFCでしょうか。新規参入は0と考えて問題無いです。

上記を纏めると、貨物鉄道会社は他の業界よりは競争が激しく無さそうです。需要が爆発的に増える業界では無いので、粛々と企業内のオペレーションの無駄を省いて収益力を高めるのが、貨物鉄道業界の傾向でしょう。

 

ユニオン・パシフィックは顧客を独占しているか(独占力)

既述の通り、同じ輸送ルートをBNSFも提供しているので、顧客を独占するのが難しいです(日本だとJR貨物が独占していますね)。

但し、輸送する貨物がだいだいBtoBの特殊なものなので、トラック輸送よりは「他の貨物鉄道に替えてやるっ!」と顧客から見放されてる危険性は低く、同じ顧客とずーっと付き合っていく可能性が高い業界になります。

 

ユニオン・パシフィックに似た事業を他社が始めるか(参入障壁)


(出典:Union Pacific

一般論として貨物鉄道は何百キロにも及ぶ鉄道路線のメンテナンス、莫大な数の機関車と貨車、運転手やターミナルの作業員、鉄道事業の許可等が必要で参入障壁は非常に高いです。鉄道事業は非常に複雑で専門性が高く、似た事業を他社が新たに始めることは非常に少ないでしょう、貨物鉄道のベンチャーは先ず不可能ですね。

 

ユニオン・パシフィックの株価と業績に不一致があるか(株価)


(出典:macrotrends

上記のグラフは、一番上から株価、EPS(一株当たり利益。これを業績と考えて頂いて問題無いです)、PER(株価収益率。これが高ければ割高、低ければ割安と分かる指標)の順に並んでいます。

業績も株価も綺麗な右肩上がりです。年々PERが上がってきており、株式市場から段々注目を浴びるようになってきているということです。株価が上昇するスピードの方が速いので、今投資をするなら安いという感じではありません。 

 

ユニオン・パシフィックは割安か(割安度)


(参照:Yahoo!ファイナンス

上記はユニオン・パシフィックの各株価指標ですが、割安かどうかを示す指標であるPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)は、業界平均よりずっと上で高いです(参照:gurufocus)。

従って、ユニオン・パシフィックの株価は非常に割高と言えます。  

 

ユニオン・パシフィックは配当を出しているか(配当)


(出典:macrotrends

上記は上から順に株価、配当金、配当利回りです。

2001年から増配を続けており、今日の配当利回りは2%弱です。株価がかなり高いにも関わらず配当利回りがまずまずのレベルで、増配を続けるだけ資金面に余裕があるので好印象です。  

 

ユニオン・パシフィックの決算内容

ユニオン・パシフィックの決算内容(2020年年次報告書)を一言で表すと、「コロナで貨物輸送に大打撃で、運動成績(純利益)は昨年度の記録を更新できず。株主貢献に命を燃やした自己株買いで、筋肉や骨(資本金)が削られて細くなり、脂肪(負債)は増えて体脂肪率(自己資本比率)がちょっと悪化」という感じです。  

 

ポイント1

 
(出典:2020年年次報告書

損益計算書で特筆すべき点は無いですが、2020年度は減収減益となっています。

知らない人にとっては意外かもしれませんが、宅配便(BtoC)はコロナで需要が増加した一方で、貨物輸送(BtoB)は工場閉鎖等の影響で輸送量が激減し、ユニオン・パシフィックも自動車工場の閉鎖等で大打撃を被り、売上が減少しました。

意外だったのは人件費です。貨物が少なかろうと貨物列車を走らせるのが貨物鉄道会社なので、人件費はそこまで減らない筈ですが、上記の通り売上の減少に合わせて人件費も減っています。これは、貨物の量が減少したことにより積み込みに関連する人件費が減ったことや、減給や休職、機関車基地の閉鎖等の対応により人件費を抑えたということです。やや強引な方法だとは思いますが、従業員を比較的簡単にクビにする米国ならではの技、対応なのかもしれません。

 

ポイント2


(出典:2020年年次報告書

賃借対照表では純資産に注目です。今期の純利益が確り蓄えられて利益余剰金が増額されていますが、なぜか純資産の合計額は前期よりも減ってしまいました。この謎は自己株式で、マイナス計上が前年度より大きくなっています。これは自己株買いを行ったということです。

因みに、純資産は減っていますが負債は増えて、資産総額は上記の通り前年度より微増となっています。自己資本比率が下がる方向で、あまり良くない傾向です。

 

ポイント3


(出典:2020年年次報告書

キャッシュフロー計算書は財務キャッシュフローに注目です。

2020年度の投資、財務キャッシュフローはマイナスですが、営業キャッシュフローのプラスで確りカバーして、期末の現金及び現金同等物残高は増加しています。

財務キャッシュフローのなかで一番大きいのは自己株買いです。ユニオン・パシフィックが株主貢献、EPSを上げるのに拘っていることが理解できます。キャッシュフローは確りしているので上記の自己株買いは問題無いですが、私が株主だったら、もっと将来の収益性に繋がる攻めの投資に回してほしいなあと思います。 

 

ユニオン・パシフィックは今後大きくなるか?(成長性)

ではユニオン・パシフィックの成長性を評価していきましょう。

既述の通り、2020年は減収減益で少し後退した結果となりました。

最新決算(2021年3Q)では前期比で増収増益、EPSが2.57ドルとなりました。全ての貨物で輸送量が増えて、売上が伸びています。


(出典:reuters

上記の通り、2021年は増収増益の予想です。コロナの落ち込みから回復する予想となっています。今後、トラック輸送から鉄道輸送に流れる貨物も増えることが予想されますし、輸送費の値上げもする(おまけに顧客は他に輸送を頼める先が無い)ので、今後もスローペースですが利益は上がり続けそうです。

上記を纏めると、超ローペースですがユニオン・パシフィックは着実に成長していると言えるでしょう。 

 

ユニオン・パシフィックは儲かっているか?(収益性)

ユニオン・パシフィックの収益性をチェックしていきましょう。

利益がどれくらい高いのかが分かる指標、売上高純利益率は29%で、ユニオン・パシフィックの方が業界平均より高いです(参照:csi market)。

資産をどれくらい効率的に使えたかという指標、ROA(総資産利益率)=8%で、これも業界平均より少し高いです(参照:csi market)。

ROAと似た指標の、ROE(自己資本利益率)=31%で、これは業界平均を遥かに超えています。

上記より、ユニオン・パシフィックの収益性は非常に高いです。  

 

ユニオン・パシフィックは倒産しないか?(安全性)

最後にユニオン・パシフィックの安全性をチェックしましょう。

短期的な資金繰りの安全性を示す流動比率は100%で、基準となる100%ぴったりです。

自己資本比率は27%と、下限の30%を僅かに下回っています。

キャッシュフローについては既述の通り、営業キャッシュフローの大きなプラスで、投資キャッシュフローや財務キャッシュフローのマイナスをカバーしており、完璧な資金繰りです。

上記を纏めると、ユニオン・パシフィックの安全性は平均レベルです。  

 

ユニオン・パシフィックの総評

以下は私個人が行った銘柄評価で、特定の企業や従業員、株主を攻撃する目的はありません。又、各銘柄について絶対的に正しい評価を議論するものでも無い為、私個人の銘柄評価に対する非難や誹謗中傷、嫌がらせはお止め下さい。

さて、しーおががの銘柄評価基準に照らし合わせた、ユニオン・パシフィックの総合評価は68点です。

点数は低くなってしまいましたが、個人的にはユニオン・パシフィックや貨物鉄道に今後の可能性を感じました。宅配便同様、輸送量をそこまで値上げできないのは同じですが、収益にはかなり余裕があり、ユニオン・パシフィックの収益性は群を抜いています。

それだけに株価が高いのが残念ですね、株式市場はがっつりユニオン・パシフィックに注目しており、業績より株価が先行してしまっています。

上記より、ユニオン・パシフィックに投資するかどうか、今は株価が高いので「投資しない」というのが私個人の判断です。貨物鉄道は日の目を浴びない地味な業界ですが、トラック輸送不足のおこぼれを預かって今後成長する分野かもしれないので、他に割安な株があれば、投資対象として検討することを強く薦めます。

以上、「実は高収益で超優秀な投資対象!?ユニオン・パシフィックの銘柄分析」でした。

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